【旧知の記者が激白】C・ロナウドは90パーセントの確率でPSGに移籍する

2015年11月21日 ヌーノ・ルス

契約を更新したがらないマドリーに不満を持っている。

マドリーのペレス会長(左)はC・ロナウドの残留を強くは望んでおらず、すでに穏便な放出に向けた策を練っているとの報道も。(C)Getty Images

 数年前の冬のある日のこと。マドリード郊外の高級住宅地ラ・フィンカにあるジョルジュ・メンデスの自宅で、私はクリスチアーノ・ロナウドと夕食のテーブルを囲んでいた。
 
 メンデスと同居するパートナーが得意料理をふるまってくれるということで招待されたのだ。クリスチアーノの母親、そして彼の同僚であるペペとその妻も同席していた。私たちは心づくしの手料理を楽しんだ。
 
 クリスチアーノの口から「PSG(パリ・サンジェルマン)」という言葉を初めて聞いたのが、この時だった。
 
「PSGはいま急速に伸びているクラブだし、あそこのプロジェクトはとても興味深い」
 
 PSGはその頃からすでに、メンデスを通してクリスチアーノへ強い関心を伝えていたのである。ただ、クリスチアーノは当初からPSG行きを意識していたわけではない。あの頃はまだレアル・マドリーでデシマ(通算10回目のチャンピオンズ・リーグ=CLの優勝)を達成する前で、他にもこのスペインの超名門でやり残したことがあった。
 
 だが、いまは違う。マドリーではすべてをやり遂げた感があり、そのうえクラブへの不満がある。彼がよく愚痴をこぼすのは、自身の契約について。いまでも前所属のマンチェスター・ユナイテッドに感謝の念を抱いているのは、クラブがつねに誠意を見せてくれていたからだ。
 
 在籍した6年間で、ユナイテッドは6回もクリスチアーノとの契約を更新している。新たな契約を結ぶたびに、サラリーの額がアップしたのは言うまでもない。
 
 これに対してマドリーはどうか。フロレンティーノ・ペレス会長が契約内容を見直したのは、入団5年目の1回きり。歴史的な活躍を続けてきた選手に対して、7年間で一度はないだろう。
 
 クリスチアーノは「マドリーで引退したい」と発言しているが、それは本心ではない。ペレス会長も彼に引退の花道を用意するつもりはないだろう。生え抜きのラウール・ゴンサレスとイケル・カシージャスですら追い出したのだ。外様の外国人であるクリスチアーノを引退まで手厚く扱うとは考えにくい。クリスチアーノも、そしてメンデスもそのあたりのことはよく分かっている。

次ページパリの魅力はスポーツ面だけに留まらない。

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