吉田麻也からは注文も…板倉滉が今季2度目の古巣対戦で示した存在感。“主将候補”には不敵な笑み【現地発】

2023年02月05日 元川悦子

最終ラインで余裕のある対応を見せる

ボルシアMGで充実の日々を送る板倉。(C)Getty Images

 昨年末のカタール・ワールドカップ(W杯)では、負傷明けにもかかわらず、最終ラインの大黒柱の1人として、ドイツ・スペイン撃破の原動力となった板倉滉(ボルシアMG)。その反面、重要なラウンド16・クロアチア戦を出場停止で欠場。悔しさを味わう形にもなった。

 あれから2か月。板倉は1月22日のレバークーゼン戦から再開したドイツ・ブンデスリーガ後半戦でフル稼働している。2月4日には古巣シャルケとの今季2度目の対決に参戦。ボルシア・パークが5万4000人超の大観衆ですさまじい熱気に包まれるなか、スタメンの約半数が冬の移籍加入組と激変した相手に対し、集中した守備で存在感を発揮。0-0と勝ち切れなかったものの、無失点という確固たる結果に貢献してみせた。

 この日の板倉はこれまで通り、ニコ・エルベディとのセンターバックコンビで先発。右ウイングの上月壮一郎の推進力を活かした速い攻めを仕掛けてくるシャルケにやや序盤から押し込まれる格好になったが、最終ラインで余裕のある対応を見せた。

 さらに、彼は持ち前のビルドアップ能力やパス供給力の高さを活かして、攻めの起点にもなっていた。27分には自らドリブルで60メートル以上、持ち上がってシュートまで持ち込む決定機を演出。セットプレー時もヨナス・ホフマンの左CKにファーサイドで合わせた31分のビッグチャンスなど効果的なシーンを作り、攻守両面で不可欠な選手という印象を残した。
 
 今回の古巣対決前には、シャルケが昨季1部復帰に貢献した板倉を買い取らなかったことに関する様々な現地報道が流れ、ひと際、注目されることになった。この日の一挙手一投足を見たシャルケ幹部は「やはり残しておきたかった」と心底、感じたことだろう。

「前半とか全然悪くなかったですけどね。相手がマンツーマンで来るなかでも、動きを増やして外せてたし、ボール保持しながら1点を取りに行く形はずっと作れた。守備をしていても、そんな怖いシーンもなかったし。ただ、こういう展開で1点取れないと、自分たちで試合を難しくしちゃう。スタジアムの雰囲気もすごく良いなか、勝ちたかったのはありましたね」と、板倉は外部の雑音に関係なく、勝ち切れなかったことを純粋に悔しがっていた。
 

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