バルサ番記者が炙り出す――「新生ネイマール」を生んだ3大ポイント

2015年10月28日 ルイス・フェルナンド・ロホ

いわばAマッチウィークでプレシーズンのツケを精算した。

変化を生んだ最大の理由は、フィジカル面の向上。Aマッチウィーク中の特別トレーニングが効果的だった。(C)REUTERS/AFLO

 ネイマールが止まらない。今やほとんど無敵の状態だ。
 
 10月17日のラージョ・バジェカーノ戦(リーガ8節)で4度もネットを揺らし、その後もリーガとチャンピオンズ・リーグで決定的なパフォーマンスを連発。バルセロナ攻撃陣の中心に君臨する。
 
『マルカ』紙のバルサ番を務める私は、ネイマールが入団した13年夏以降の全試合を取材してきた。順調に成長してきていると思う。
 
 しかし、ここ数週間のネイマールの成長ぶりには、とりわけ目を見張るものがある。
 
 何が彼を変えたのか。個人的には3つの理由があると考えている。
 
 
(1)13日間の特別トレーニングプログラム
 
 ひとつ目にして最大の理由が、この「13日間の特別プログラム」だ。
 
 時期は10月半ばのAマッチウィーク。バルサの選手たちは各国代表チームに参加すべく離散したが、ネイマールは今夏のコパ・アメリカで代表戦出場停止処分を食らっていたため、今回はブラジル代表に合流せずバルセロナに残っていた。
 
 バルサにとって、そしてネイマールにとって、この13日間というのはまたとないチャンスだった。彼はフィジカルコーチやルイス・エンリケ監督と話し合い、この期間にキレと俊敏性を高める特別メニューを行なったのだ。
 
 本来であれば、プレシーズン期間中のメニューだ。しかし、8月に発症したおたふく風邪の影響で15日間離脱し、十分にメニューをこなせなかった。その分をまったく同じ日数を得た今回のAマッチウィークに消化したのだ。
 
 これが功を奏し、Aマッチウィーク明けのネイマールは明らかにコンディションが上がっている。初速を高めるメニューのおかげで、スピードやアジリティーなどが目に見えて向上。それによって、ドリブルの破壊力が増したのだ。
 

次ページ「自分が試合を決める」という気持ちが明らかに増している。

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