イランに快勝も「お粗末だった」アメリカ戦…イングランド指揮官に英メディアも辛辣「大あくびをした」[現地発]【W杯】

2022年11月29日 田嶋コウスケ

低調だったアメリカ戦

イラン戦で圧倒的な強さを見せつけたイングランド代表だったが、アメリカ戦では不本意な結果に終わった。(C)Getty Images

「ワールドカップのようなビッグトーナメントでは、全ての試合が綺麗なバラ色に染まることはない。厳しい試合も当然出てくる。イングランドはグループステージを勝ち上がれると思っているが、アメリカ戦は……お粗末だった。

 私も落胆している。正直もっと良い内容の試合を期待していた。だが、前向きに評価できる点もある。無失点に抑えたのはそのひとつ。後半、失点しなかったのは、国内リーグでも代表でもパフォーマンスを批判されてきたハリー・マグワイアの奮闘があったからだ」

 イングランド代表をそう評価したのはOBのガリー・ネビル氏である。25日に行なわれたワールドカップ(W杯)グループステージ(B組)第2節のアメリカ戦で、イングランド代表は0-0のドローで終えた。

 6-2で大勝したイラン戦に続いて連勝していればグループステージ突破が決まっていたが、決着はウェールズ代表との最終節に持ち越しとなった。アメリカの攻撃に苦しむ時間もあり、褒められる内容ではなかったが、G・ネビル氏は最低限の結果を掴んだことに納得している様子だった。

 元イングランド代表MFのジャーメイン・ジェナス氏も「アメリカが勝利しても不思議ではなかった。彼らが中盤を支配し、イングランド陣内へ攻め込んだ。だが負けなかったのは大事。ビッグトーナメントを戦ううえで、パフォーマンスの冴えない試合で結果を掴んでいくことは必要」と評した。
 
 試合を振り返ると、序盤はイングランドが優勢だったが、アメリカが徐々に持ち直していった。アメリカが43分にクリスティアン・プリシックのヘディングシュートでチャンスを作ると、テレビ中継で解説を務めたイングランド代表OBのリー・ディクソン氏は「イングランドは少し心配ですね」と嘆いた。

 後半もアメリカがプレスで敵陣に押し込み、なかなかイングランドは試合の流れを引き寄せられない。試合中にアメリカのサポーターが、このスポーツをフットボールと呼ぶ母国イングランドのファンに向けて「これがサッカーだ!」とチャントで揶揄する場面もあった。最終的にスコアレスドローで終わると、イングランドのサポーターは自軍の選手に強烈なブーイングを浴びせた。

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