現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「ドイツのレジェンドが率いるパーダーボルンとの一戦! 香川の先発起用は――」

2015年10月28日 マルクス・バーク

パーダーボルンの新監督に就任したのが、エッフェンベルク。

ブンデスリーガ10節終了現在で全試合に先発している香川。トゥヘル監督の信頼を勝ち取っている。 (C)Getty Images

 ドルトムントは本当に運が良かった。ヴォルフスブルクとバイエルン、シャルケとボルシアMGがDFBカップの2回戦で激突する一方で、ドルトムントは2部のパーダーボルンと対戦する。10月28日に行なわれるこの一戦は当初、ドイツ国内での注目度がかなり低かった。ところが、10月14日にその状況が一変。ドイツ・サッカー界でもっとも濃艶な人物のひとりが、パーダーボルンの新監督に就任したのだ。
 
 その人物とは、シュテファン・エッフェンベルク。バイエルンの主将として活躍し、ブンデスリーガ優勝を三度、チャンピオンズ・リーグを一度制すなど、輝かしい実績を残したレジェンドだ。指導者としての初キャリアも多望で、初陣となったブラウンシュバイク戦(10月16日)、続くウニオン・ベルリン戦(10月24日)と連勝を飾っている。
 
 パーダーボルンを軽視するなと選手たちに警告しているのは、ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督だ。そのパーダーボルン戦では、指揮官が選ぶ先発メンバーが注目される。
 
 ブンデスリーガでは、トゥヘルはほぼ固定のメンバーで戦っている。なかでも信頼度が高いのが、GKのロマン・ビュルキに加えて、マッツ・フンメルス、香川真司、ピエール=エメリク・オーバメヤンの4人。いずれも、10節終了現在で全試合に先発している。
 
 
 5-1の快勝を飾ったアウクスブルク戦(10節)で3アシストの大活躍を見せ、多くのメディアから絶賛された香川の10節終了時点でのプレータイムは、849分(最高で900分)。これは、攻撃的な選手としては非常に多い出場時間である。一般的に監督は、アタッカーを途中で代えることが少なくないからだ。しかし、この点でトゥヘルの考え方は違うらしい。それはオーバメヤンの統計を見ても明らかで、彼は865分に出場している。

次ページパーダーボルン戦はいわゆる「1.5軍」を先発させる可能性も。

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