【カタールW杯|C組展望】大本命はアルゼンチンも…“オール国内組”サウジが台風の目になるか!波乱の予感漂うグループに

2022年10月26日 河治良幸

アルゼンチンは6月から無失点が続く

カタールW杯グループCの出場国と展望を紹介。左からアル・ドサリ(サウジアラビア)、レバンドフスキ(ポーランド)、メッシ(アルゼンチン)、オチョア(メキシコ)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)、(C)Getty Images

 11月20日に幕を開けるカタール・ワールドカップ。4年に一度の大舞台では、どんな戦いが繰り広げられるか。本稿ではグループごとに出場国の横顔を紹介し、決勝トーナメント進出に向けた争いを展望する。今回はCグループだ。

――◆――◆――

■アルゼンチン
(13大会連続18回目の出場)

 昨年のコパ・アメリカでは、決勝でブラジルを破って優勝。エースのリオネル・メッシ(パリSG)は前線のストライカーというより、ゲームメイクから関わり、点を取らせる側に回るケースが多い。運動量は多くないが、ピンポイントの守備貢献も見せる。

 南米予選はブラジルに次ぐ2位で、数試合を残して突破を決めたのはリオネル・スカローニ監督の率いるチームが、攻守のバランス良くまとまっているから。今年6月のイタリア戦も3-0で完勝。その後の親善試合でも無失点を続けている。

 不安要素は攻撃陣のコンディションだ。コパ・アメリカ決勝で優勝に導くゴールを挙げたアンヘル・ディ・マリア(ユベントス)が、ハムストリングの負傷で大会開幕ギリギリでの復帰となり、パウロ・ディバラ(ローマ)も怪我で出場が危ぶまれている。

 ただ、ラウタロ・マルティネス(インテル)が堅調で、"アグエロ2世"と期待されるフリアン・アルバレス(マンチェスター・C)も台頭。やはりC組の大本命なのは間違いない。
 
■メキシコ
(8大会連続17回目の出場)

 7大会連続でベスト16敗退という「珍記録」を継続中のメキシコ。すでに2度のベスト8を経験しているが、カタールでは必ず突破したい壁だ。

 その大役を担うのは、2010年の南アフリカ大会でパラグアイをベスト8に導いたヘラルド・マルティーノ監督。バルセロナを率いた過去もあるが、攻守のバランスを重視するタイプで、4-3-3でパスワークをベースとしながら、試合の状況に応じたゲームコントロールと、接戦での勝負強さを植え付けようとしている。

 チームの中核は、前回大会から主力のエクトル・エレーラ(ヒューストン・ダイナモ)やイルビング・ロサーノ(ナポリ)。精神的な支柱は、ベテランのエクトル・モレーノ(モンテレイ)やアンドレス・グアルダード(ベティス)だが、若い世代からエドソン・アルバレス(アヤックス)やカルロス・ロドリゲス(クルス・アールス)も台頭している。

 さらに昨年の東京五輪で銅メダルを獲得したメンバーも加わり、堅実さと勢いを融合してベスト16の鬼門に挑んでいく。
 

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