森保Jと対戦するドイツ代表のW杯メンバー26人はどうなる? “最も頭を悩ませている”CFには新顔のサプライズ招集もあり得る

2022年10月15日 中野吉之伴

ノイアーがいてもGKを4人にした理由は…

ドイツ代表の予想メンバー26人。(C)SOCCER DIGEST

 カタール・ワールドカップで日本代表が初戦で対戦するドイツ代表は、どんなメンバーになるのか。6月の代表シリーズを終えた時点では、ハンジ・フリック監督率いるチームの顔触れはほぼ確定と思われていた。だが、9月シリーズで思わぬ苦戦を強いられてしまった。まだまだいくつかのポジションや選手枠に関して熟考の必要が出てきたと思われる。各選手の代表チーム、所属クラブでの調子を考慮しながら、ワールドカップ本大会ではどのような26人になるかを予想した。

―――◆―――◆―――

【GK】
 いまなおマヌエル・ノイアーが不動のレギュラーに君臨している。ポジショニングと飛び出すタイミング、状況に応じたセービングテクニック……そのクオリティの高さは健在。それどころか、成長し続けている印象さえ与える。ドイツがピンチになると、そこに立ちふさがるのはこの守護神だ。ビルドアップの起点としてフィールドプレーヤー顔負けのスキルを持っているのも素晴らしい。相手がプレスをかけてもあわてることもない。逆に相手守備の薄いところに低弾道の鋭いパスを通し、攻撃を展開してしまう。

 GK王国のドイツはバックアッパーも充実している。2番手には、全ての能力がハイクオリティのマルク=アンドレ・テアシュテーゲンが控えているし、フランクフルトで極上のパフォーマンスを見せたケビン・トラップも準備万端だ。

 今大会のメンバー選定において、コロナで誰かが欠場した時の備えをどれだけできるかが重要になる。GKを4人にしたのもそのためだ。実際、9月の代表戦ではノイアーがコロナで欠場。本戦ではすぐに次の試合がくるし、それぞれの試合でまた新たなコロナ感染者や怪我人が出るかもしれない。

 グループリーグ3試合で3人のGKを使わなければならないという前例はあるだけに、ホッフェンハイムで好パフォーマンスを見せているオリバー・バウマンとともに4人体制で万全を期すと見立てた。
 
【DF】
 守備陣ではCBのアントニオ・リュディガーはレギュラーがほぼ確定。リーダーとして絶大な存在感を見せている。1対1の対応、空中戦の強さは抜きんでているし、守備範囲の広さは尋常ではないレベルだ。ビルドアップ能力でも成長の兆しを見せるなど、充実の時を迎えている。

 パートナー候補はニコラス・ジューレとニコ・シュロッターベックの2人。2人とも資質は高く、不用意なミスが少なくない。前者は1対1の強さ、後者は攻撃の起点となる鋭い縦パスという、異なる武器を持つ。

 さらにフライブルクで非常に安定感のあるプレーを見せているマティアス・ギンターの序列が上がるのも考えられるし、今季ドルトムントで好調をキープしているマッツ・フンメルスが選出される可能性は低くない。

 左SBは、ブレイクスルーを果たしたとも思われたダビド・ラウムの元気がないのが気がかりだ。躍動感のある上下動と精度の高いクロスが攻撃に厚みを加えていただけに、復調が望まれる。代わりに、パワフルでダイナミックなプレーが魅力なフライブルクのクリスティアン・ギュンターが定位置の座を掴むかもしれない。

 右SBは非常に難しい。左SBが高い位置でどんどん攻撃に関わるタスクを担う一方で、右SBにはバランスを取りながらCBのサポートをし、それでいて攻撃の起点を作り出す動きが求められる。攻撃的MFヨナス・ホフマンのテスト起用はうまくいかず、テオ・ケーラーがファーストチョイスだが、はまりきっていない。ギンターやジューレのサイドでの起用も考えたいところだ。

次ページ逸材ヴィルツが間に合わなければ、ゲッツェという選択肢も

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事