【U-21代表最新序列】国際経験豊富な田中がアンカー1番手。突き上げが乏しいインサイドハーフで復活が待たれるのは…

2022年10月02日 松尾祐希

「A代表経由パリ五輪行き」を実行できそうな選手は…

パリ五輪を目ざすU-21日本代表の最新序列。 (C)SOCCER DIGEST

 2024年夏のパリ五輪を目ざすU-21日本代表が、9月20日から26日にかけて欧州遠征を行なった。

 今年3月のドバイカップで優勝を果たし、6月のU-23アジアカップでは2歳年上のチームらを相手に3位でフィニッシュ。3月に発足した大岩剛監督率いるチームはここまで順調な道を歩んできた。

 そのなかで迎えた、今回の欧州遠征。ドバイ杯でクロアチアと対戦し、1−0の勝利を収めているが、相手が時差ぼけや暑さの影響を受けていた点を考えれば、万全の状態の欧州勢との戦いは初となる。結果は22日のU-21スイス代表戦で1−2の敗戦、26日のU-21イタリア代表戦は1−1のドローとなり、未勝利で今遠征を終えた。

 スイス戦はセットプレーの守備やゲーム運び、イタリア戦は試合の入り方に課題を残した。特にイタリア戦はスコアだけを見れば、A代表歴やセリエAで活躍する選手が揃う相手に対して通用したようにも思える。しかし、振り返ると、前半は何もさせてもらえておらず、相手のペースが落ちた後半に持ち直したが、チームとしての力不足を露呈する結果となった。

 個人の部分ではフィジカル面や戦術理解度で上回られ、チームとしても前半は流動的な相手の中盤を捕まえられずに後手を踏んだ。その点は現実として受け止めるべきだろう。大岩監督も反省を口にしており、難しいゲーム展開だったと認めていた。
 
「(スイス戦は)自分たちがボールを奪う。そこから攻撃、トランジションの部分で取るべきポジションに構える。でも、取るべきポジションに速く到達できない。相手のプレッシャーに対して、迷ったり、動き出しのスピードが足りないので、当然、相手のほうがプレッシャーをかけるタイミングが速くなってしまう。その反省を踏まえて、今日(イタリア戦)は準備したつもりだったんです。選手が予想以上に動き出せず、トランジション、奪ってからのイメージをなかなか共有できていなかった」

 パリ五輪の最終予選までは1年半も残されていない。チームとして、個人としていかに強化を図っていくか。現時点では指揮官が常日頃から口にする「A代表経由パリ五輪行き」を実行できそうな選手は見当たらない。

 だが、確実に評価を上げている選手はおり、力をつけている選手もいる。そうした状況を踏まえて、再来年3月のU-23アジアカップ(パリ五輪最終予選を兼ねる)の登録メンバー23人として、現時点での序列を考察していく。

 今回の欧州遠征に招集されたメンバーは23人だった。

「スイス戦を踏まえたうえでメンバーを選び、準備をして、ピッチに立つ」

 イタリア戦後に大岩監督が発した言葉を読み取っても、アッズリーニ(U-21イタリア代表の愛称)との一戦に、ベストに近いメンバーをぶつけた可能性が高い。

 そのメンバーをベースに現在の序列を紐解いていくと、大岩監督のメッセージははっきりしており、試合に出ている選手が評価を高めている。
 

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