【藤田俊哉の目】2次予選前半戦は75点…。若手の台頭が物足りない攻撃陣は50点!

2015年10月10日 サッカーダイジェスト編集部

守備陣のMVPには川島の穴をしっかり埋めた西川を挙げたい。

シリア戦でグループEの首位に立った日本。2次予選の首位通過へ大きく前進した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 10月8日のシリア戦を経て日本はグループ首位に立ったね。日本に付け入るチャンスなどないという印象を植え付けされるためにも、グループの最大のライバルをアウェーの地でしっかり叩く必要があった。前半の内容はさておき、結果として3-0で勝つことができた。
 
 この2次予選というのは、1位しか無条件に最終予選に進むことができないレギュレーションだから"首位ターン"を達成した意義は決して小さくはないし、個人的にはなにも言うことはない。
 
 このシリア戦で日本は4試合を消化した。ちょうど2次予選のスケジュールも折り返しとなったが、あえて前半戦の戦いに評価をつけるならば、100点満点で75点だ。
 
 理由はこうだ。日本はあくまでアジアではトップを走り続けなければいけない存在。だから、つねにすべての試合で勝つことが求められる。4試合を100点満点で評価(1試合を25点満点)した場合、勝点3を逃した第1戦のシンガポール戦は厳しく0点としたい。その後、カンボジア(3-0)、アフガニスタン(6-0)、そしてシリア(3-0)に3勝したのだから、チームとして75点という評価をつけたい。
 
 攻撃陣と守備陣に分けて評価するならば、まったくピンチらしいピンチがなかった守備面を評価するのは難しいところだ。とはいえ、対戦相手との実力差を考えれば、そうした状況になることは容易に想像できた。
 
 ただし予想外だったのは、ずっとゴールマウスを守ってきた川島(永嗣)が所属クラブが決まらず、代表チームから離脱してしまったことだ。そうした状況下でレギュラーの座を掴んだのが、西川だった。東口や六反といったライバルとの争いに競り勝って第1GKの座を手にしたからこそ、試合へのモチベーションの高さが窺えたし、川島の抜けた穴をしっかり埋めてくれたという点で、守備陣のMVPに挙げてもいいと思う。
 
 2次予選とはいえ、大事な公式戦で4試合をすべて無失点で切り抜けたことは、もちろん西川だけの力ではないものの、チームにとっても自信になったのではないかな。

次ページ本田、香川、岡崎の3人の牙城を切り崩すような若手の台頭を望む。

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