【ロシアW杯南米予選】ついにスタート!押さえておきたい「5つのチェックポイント」

2015年10月08日 沢田啓明

首位通過の大本命は戦力的に抜けているアルゼンチンだ。

エースで主将のメッシは怪我により10月の予選を欠場するが、その代役はアグエロやテベス。アルゼンチンの攻撃陣は世界最高峰の質量を誇る。(C)Getty Images

 10月8日にスタートするワールドカップ南米予選。10か国が2年間で18試合を戦う長丁場の"マラソンレース"の鍵を握るであろう、押さえておきたいチームと選手を、5つのチェックポイントでご紹介! 
 
 
【チェックポイント1】
アルゼンチンやブラジルなど伝統国の戦いぶりは?

 
 直近のワールドカップとコパ・アメリカで準優勝の実績を誇るアルゼンチンは、トップ通過の最有力候補。リオネル・メッシ、セルヒオ・アグエロ、アンヘル・ディ・マリア、ハビエル・パストーレ、カルロス・テベス、ゴンサロ・イグアインと攻撃陣は他国が羨むほど豪華絢爛なうえ、ボランチのハビエル・マスチェラーノとCBのニコラス・オタメンディを中心とする守備陣も強固だ。
 
 精神的な柱であるマスチェラーノが故障で長欠でもしない限り、大崩れは想定し難い。
 
 一方のブラジルは、屈辱的な敗退を喫したワールドカップ後に4年ぶりの再任を果たしたドゥンガ監督が、キャプテンマークをチアゴ・シウバからネイマールに引き継ぐなどチーム改革を推進中だ。
 
守備陣はCBミランダを中心に再編し、攻撃陣はドグラス・コスタやルーカス、コウチーニョらを抜擢して"ネイマール依存症"からの脱却を目指す。
 
 ワールドカップ優勝2回を誇るウルグアイは、ルイス・スアレス、エディンソン・カバーニ、ディエゴ・ゴディンなどワールドクラスを擁するが、小国ゆえ層の薄さが悩みの種。過去4回連続でプレーオフに回っている実績を考えても、今予選も苦しむ可能性が小さくない。
 
 
【チェックポイント2】
チリとコロンビアはさらに躍進するのか?

 
 最大の注目は、自国開催だった今夏のコパ・アメリカで初優勝したチリだ。CBガリー・メデル、MFアルトゥーロ・ビダル、FWアレクシス・サンチェスを中心に、小柄だが抜群の運動量と闘争心を兼備するタレントたちが、あらゆる局面に絡むダイナミックなチーム。相手と状況に応じてハイプレスからのショートカウンター、縦に速い速攻、ポゼッションと様々なスタイルを使い分けられる戦術的柔軟性も大きな魅力だ。
 
 ただ、とりわけ最終ラインに高さがなく、守備時の空中戦は不安が小さくない。さらにいまや他国に徹底的に研究されており、意外と苦戦を強いられるかもしれない。
 
 チリと同じく近年の躍進が光るのが、ブラジル・ワールドカップで同国史上初のベスト8入りを果たしたコロンビア。名将ホセ・ペケルマンが粘り強い守備を植え付け、ハメス・ロドリゲス、ファン・ギジェルモ・クアドラード、ラダメル・ファルカオ、ジャクソン・マルティネスなどが攻撃で違いを作る。
 
 ただ、ブラジルを破る一方でベネズエラに敗れたコパ・アメリカの戦績が示す通り、やや好不調の波が大きい。2年間に渡って18試合を戦う長丁場の南米予選では、チームの成熟度が試される。

次ページバルサの「MSNトリオ」はそれぞれの国の成否を握る。

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