「どうしてそんなルールがあるのか理解できない」
地元紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』のインタビューに応じた久保。(C) なかしまだいすけ/アフロ
久保建英が所属するレアル・ソシエダは現地9月3日、ラ・リーガ第4節のアトレティコ・マドリー戦に挑む。この大一番を前に、地元紙『ノティシアス・デ・ギプスコア』が久保の独占インタビューを行なった。サッカーダイジェストWebでは、同紙の許可を得て、貴重なインタビューを掲載。第3回では、自身のキャリアやマドリーの後輩でもある中井卓大について語っている。
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――出身の川崎市はどのようなところですか?
「神奈川県に位置する市で、バルセロナのサン・クガット(バルセロナ郊外にある街)みたいなところさ。海はあるけれど、あまり美しいとは言えない。こことは違う。僕はドノスティア(サンセバスティアンのこと)のほうがずっと好きだ」
――路上でよくサッカーをしていたのですか?
「子供のころからいつも、いつも、路上でサッカーをしていた。今でも近くにグラウンドがあり、利用可能であれば、休日にそこでサッカーをしたい。実際、休みの日も、練習場に来るのが好きだしね。ボールは蹴らない。やりすぎも良くないから。何もしなくてもピッチに立ったり、ジムでトレーニングをしたりするのが好きなんだ」
――ご自身のことをストリートで鍛えられた選手とお考えですか?
「自分ではそう思っている。僕は、周りから天才と呼ばれるような選手ではない。努力してサッカー選手になった。子供の頃から誰よりも練習してきたし、そのことを誇りに思っている」
――バルサは、かなり早い段階からあなたに注目していたんですよね。
「きっかけは日本で行われたバルサキャンプだった。MVPに選出され、スペインのバルサスクールのチームの一員としてトーナメント大会に参加した。そして、そこでもMVPに選出され、バルサの入団テストを受けた。とても満足のいく形で迎えてもらった」
――あなたが所属するチームは、グローブトロッターズのようにほぼ無敵の強さを誇ったんでしたよね。
「素晴らしいチームだった。アンス(ファティ)、エリク(ガルシア)、アドリアン・ベルナベ、(ニルズ)モルティメル…。とても優秀なメンバーが揃っていた。キックオフ前から勝利はほぼ確定していたので、誰が最も多くのゴールを決められるか、という気持ちで試合に臨んでいた」
――アンスとは今でも仲は良いですか?
「僕はどの選手とも仲良くなれる。家族のようなチームで、みんな仲が良かった。チームメイトの両親からもとてもよくしてもらった」
――だからこそFIFAの制裁で日本に帰国することを余儀なくされことは大きなショックだったでしょうね。
「ひとりのサッカー少年が、異国の地に行って、プレーするのを禁止されるというのは、いまだに理解できない。テニスではありえないことだ。どうしてそんなルールがあるのか理解できない。でもそういうものだから、何もできない」