プロ注目の2年生、大津の長身ボランチ碇明日麻。CB挑戦で守備の課題を克服、得意のキックにスカウトたちが熱視線

2022年08月12日 安藤隆人

CBコンバートでインターセプトやカバーリングの課題を明確に把握

大津の碇(8番)は和倉ユースサッカーフェスティバルでスケールの大きさを見せた。写真:安藤隆人

 真夏の石川県は和倉温泉。8月6日から10日かけて行われた和倉ユースサッカーフェスティバルにおいて、九州の名門・大津高のプロ注目の2年生・碇明日麻がCBでスケールの大きさを見せつけた。

 187センチの長身を生かした空中戦と的確なラインコントロールを見せ、正確な左右のキックで191センチのFW小林俊瑛と技巧派MF田原瑠衣らを巧みに操る。最終ラインでの存在感は際立っていた。

「自分の良さであるロングキックとヘッドは出せていると思います。本来のポジションでもこの経験はかなり生きると思っています」

 本職はボランチ。1年生だった昨年はボランチと並行してセンターフォワードを務め、高円宮杯プレミアリーグWESTや選手権でもゴールを決めている。
 
 今年のプレミアWESTではボランチのレギュラーとして固定され、開幕からプレーしたが、第4節のサンフレッチェ広島ユース戦の前にCB野田翔升が負傷離脱。野田不在の穴を埋めるために、昨年の国体でCBを経験していた碇に白羽の矢が立った。

「最初は乗り気ではありませんでした」と笑うが、今やCBでのプレーに自身の大きな成長を見出していた。

「センターバックとしてインターセプトのタイミング、出足などが身につけば、ボランチになった時にセンターバックの時以上にビッグチャンスに直結しますし、より効果的なショートカウンターを仕掛けられるのでメリットが大きい。カバーリングも下がるタイミングや角度をもっと学べば、ボランチになった時に下がりながらうける質が上がりますし、ディフェンスラインに落ちるタイミングや質も上がる。だからこそ、プレミアというレベルの高いストライカーがいるチームを相手にセンターバックを出来ることはプラスに捉えています」

 もともとボールを奪う守備は得意なほうだった。しかし、彼の言う通りインターセプトやカバーリングには課題があった。試合をこなすごとに自分の課題をより明確に把握できるようになり、CBとしての成長はボランチとしての成長に直結することを確信したことで、さらに伸びようとしている。
 

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