思い出のフクアリでの古巣ジェフ戦へ。怪我から復帰の東京V・井出遥也が示す新たな決意

2022年06月25日 加茂郁実

「悔しかったリハビリ期間」

戦列に戻ってきた井出。ヴェルディの攻撃に変化をもたらしたい。(C)SOCCER DIGEST

 東京Vのピッチに井出遥也が戻ってきた。20節の横浜FC戦で先発出場を果たすと、現在までリーグ戦3試合連続先発出場中。今度こそ本領発揮だ。

 2020年に山形から東京Vへ完全移籍。当時、井出らしいクラブを選択したなと思ったと同時にその後の活躍を疑わなかった。実際に2020年は35試合に出場して2得点。ただ、2021年後半から今年の前半戦にかけてはケガによって長期離脱を余儀なくされた。特に今季は、10節の山口戦に途中出場したものの、翌節から再び離脱してリハビリに時間を費やしたのは井出にとっても想定外だった。

 同時にチーム状況も下降線を辿り、悶々とした日々が続いていた。それだけに戦列に復帰した今、チームのために活躍したい、しなければいけないとの想いは強い。

「昨年途中から戦列を離れ、思うように復帰ができずに悔しい思いも当然ありました。ただ、その期間中に多くの方にサポートしてもらいましたし、何よりも選手みんなが自分のことを信頼してくれたし、『早く復帰してほしい』といった類の言葉をたくさんもらいました。だからこそ、ここから後半戦でしっかりと活躍してチームに貢献できるように頑張りたい」
 
 多くが井出の復帰、復活を望むには大きな理由がある。それは、他との違いを見せつけられる選手だからだ。独特なドリブルで局面を個で打開するのはもちろん、抜群のポジショニングでボールを引き出し、ラストパスやシュートでチャンスを演出。

 井出のボールタッチにより、チーム全体が一気に攻勢に転じる。緩急を織り交ぜたプレーは、攻撃のバリエーションを増やし、とかくボールを回すことに終始しがちなチームに変化をもたらしてきた。

「攻撃の面で違いを見せる。それは続けていきたいです」

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