成長著しい東京国際大のエースストライカー! 師岡柊生が大学で手に入れた新たな武器「一気にプレーの引き出しが増えた」

2022年05月21日 安藤隆人

チームの快進撃を牽引する攻撃の中枢

6連勝中の東京国際大の攻撃を牽引する師岡。ずば抜けたアジリティとフィジカルの強さ、足もとの技術を持つ。写真:安藤隆人

 いま、大学サッカーにおいて最も旬な男と言っていいだろう。

 関東大学サッカーリーグ1部で今季、開幕から破竹の6連勝を飾り、首位をひた走る東京国際大のエース師岡柊生(4年)は、躍動感溢れるプレーで注目を浴びている。

 師岡の持ち味は、ずば抜けたアジリティとフィジカルの強さ、足もとの技術を活かしたドリブルと球際の強さにある。スピードで軽やかに相手をかわしたかと思えば、2人のDFに囲まれてもフィジカルで活路を見いだし、強引な突破も繰り出せる。ゴール前のスペースの察知力にも長け、一瞬で相手DFの裏に入り込み、そのあとのシュートとパスの判断も非凡なものを持つ。

 187センチの大型ストライカー佐川洸介との2トップは相性抜群かつ強烈で、得点ランキングでは佐川が1位タイの4ゴール、師岡が3位タイの3ゴールと、2人で7ゴールを叩き出している。加えて師岡はアシストランキングでも1位タイの2本と、まさにチームの快進撃を牽引する攻撃の中枢となっている。
 
 6連勝を決めた第6節の国士舘大戦(〇1-0)では、相手は佐川に1枚、師岡に2枚のDFを当てて、『2トップ封じ』をしてきた。

 かなり厳しいマークがついていたが、それでも師岡は、卓越した強度と精度の高いスプリントで何度かフリーで裏へ抜け出したり、見事なポストプレーで攻撃の組み立てに参加するなど、リズムメーカーとしても存在感を放った。

 1−0で迎えた78分には退場者が1人出て数的不利となったが、師岡は最後まで運動量を落とすことなく、前線からのプレスとプレスバックを献身的に行ない守備面でも貢献し、完封勝利に貢献した。

「マークに来るのは分かっていたので、裏に抜け出すだけではなく、落ちてボールを受けたり、サイドに散らすプレーを意識しました。いままで以上にきつい相手だったので、ここで接戦を勝ち切れたのは大きいと思います」

 こう試合を振り返った師岡は、山梨の日本航空高出身。高校時代はポストプレーと裏抜けが光るストライカーで、高校3年次の選手権では10番を背負ってチームをベスト8に導いた。しかし、プロから声はかからなかった。

 それもそのはずで、頭角を現し始めた2年次に負傷を繰り返し、アピールのチャンスだった選手権予選は怪我で入院。チームの県予選敗退を結果で知ることしかできなかった。高3になってもインターハイの本大会には出場できず、リーグ戦も県リーグと、師岡が注目を集めることはなかった。
 

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