横浜ユースCB畑野優真がこだわる“声”。「強く言い過ぎてしまう」課題克服へ、OB栗原勇蔵からもらった金言とは?

2022年05月13日 松尾祐希

昔から話し好き。中学時代は学級委員長も

横浜ユースの畑野は、強烈なリーダーシップが特長。世代別代表にも選出され、ますます評価を高めている。写真:松尾祐希

 あまりに強気なメッセージに、見ている側は喧嘩にならないか不安になる。グラウンドに響き渡る大きな声。仲間を鼓舞するだけではなく、厳しい言葉でチームメイトに自らの意見を伝える。

「もっと下がれ!」
「前に蹴らなくていい」

 味方との信頼関係があるからこそ成り立っているのだろう。ピッチに立てば、年齢は関係ない。

 横浜F・マリノスユースに面白いCBが台頭した。強烈なリーダーシップで最終ラインを支えるDF畑野優真(2年)だ。

 先述したコーチングはもちろん、182センチのサイズを生かした空中戦にも定評がある。正確なビルドアップで攻撃を支え、利き足ではない左足からのフィードも正確だ。

 昨季はU-16日本代表候補に選出され、今季もU-17日本代表の一員として3月の"J-VILLAGE CUP"に出場。クラブでも大学生やユース中心のメンバー構成ながらU-21エリートリーグで出番を得るなど、評価を着実に高めてきた。

 そのなかで畑野がこだわってきたのが"声"だ。

「中学生の頃から声を出していた。武器は空中戦とコーチングだと言われていたし、自分でも特長だと思っていた」
 
 昔から話し好き。中学時代は学級委員長も任されるなど、ピッチ内外で人前でも臆さずに話すスキルを持ち合わせていた。横浜Jrユース追浜時代から、横浜ユースに昇格してからもスタンスは変わらない。後輩先輩関係なくコミュニケーションを取れるタイプで、ときに厳しいことも言うが、"お山の大将"タイプではない。

「個人的には自分も言ってもらいたいし、自分も言いたい」

 一方的に話すのではなく、仲間と対話しながら、相手にも遠慮せずに厳しい言葉を投げかけてほしいと考えている。想いはチームメイトにも伝わっており、DF池田春汰(2年)も畑野の言葉がプラスに働いていると話す。

「すごく言ってくるので、試合中に喧嘩になることもある。でも、結果的に成長できるのでありがたい」

 ただ畑野は、自身の声掛けにも課題があるとし、試合中に熱くなり、感情的になってしまう点は改善したいと感じている。問題点に気が付いたきっかけは、元日本代表でクラブOBの栗原勇蔵氏だったという。

「先日、チームで栗原さんの講習会があり、そのときにコーチングのことを聞いたんです。僕は結構感情が入ってしまうタイプですが、栗原さんは言葉を選んで言っていると話していました」
 

次ページ市立船橋戦でも厳しい言い方になる場面が…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事