伊東純也らを発掘した敏腕スカウトが惚れ込んだ日体大の三浦颯太。“10番”サイドバックの無限のポテンシャル

2022年04月28日 安藤隆人

すぐに獲得したいとまでは思わなかったが…

日体大で10番を背負う三浦。高精度の左足を持ち、複数のポジションをこなし、推進力あるプレーが魅力の逸材だ。写真:安藤隆人

 これまで伊東純也、佐々木翔、稲垣祥などを発掘し、ここ3年では長谷川元希、関口正大、須貝英大、鳥海芳樹らすでにトップで主要な存在となっている大卒選手を次々とスカウトしてきたヴァンフォーレ甲府の森淳スカウト。すでに彼が来季の戦力として獲得した選手がいる。

 日本体育大の4年、三浦颯太だ。

 左サイドバックで背番号10を背負い、積極的な攻撃参加と精度の高い左足を生かしたダイレクトプレーやクロスを武器とし、縦への推進力を持つ選手だ。

 森スカウトが三浦を最初に見たのは帝京高時代だった。当時、ボランチをやっていた三浦を見て、「左利きで技術レベルの高い、上手な選手だな」という印象を受けたが、すぐに獲得したいとまでは思わなかった。

 だが、そのわずか1年後に印象は一気に深まった。三浦が進んだのは、森スカウトの母校でもある日体大。1年生の時の関東大学リーグ2部の関東学院大戦を視察に行くと、技巧派ボランチが左サイドバックにコンバートされているのに気づいた。

「慣れないポジションのはずなのに、あまりにもスムーズにプレーをしていて、叩いてから前、叩いてから前の大きなワンツーを2回連続でやったシーンを見て衝撃を受けました。ゲームメイクできる選手が縦への推進力もあるのかと」
 
 一気にその才能に惚れ込んだ森スカウトの動きは早かった。それ以降、三浦を徹底マークし、早い段階で甲府の練習に参加させると、俊英レフティは初日でいきなり周りの評価を勝ち取った。練習開始からわずか15~20分後に、サイドの対人練習で左斜め45度から強烈な左足ミドルをゴールに突き刺したのだった。

 それを見た当時の伊藤彰監督(現・ジュビロ磐田監督)がすぐに「森さん、この選手いいね。間違いないですよ」と声をかけてきたという。

 すぐに獲得の方向性が決まったからこそ、昨年6月に2023年シーズンからの内定が発表された。昨年に続き特別指定に登録された今季は、2月のJ2開幕戦のファジアーノ岡山戦で途中出場し、早々にプロデビューを飾るなど、期待値の大きさが伺える。
 

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