それぞれがテーマを持って挑むドバイカップ。貴重な海外遠征。指揮官は「逞しさとタフさ」「戦術理解」に期待【U-21代表】

2022年03月22日 松尾祐希

クロアチア戦の左SBは?

ドバイカップに挑む大岩ジャパンの予想フォーメーション

 2024年のパリ五輪を目指す旅がついに始まった。

 大岩剛監督が就任してから、活動は今回のUAE遠征で2回目となる。3月7日から千葉県内で行なった3日間のショートキャンプとは異なり、今回は初めての海外遠征となり、期間も9日間と十分に時間がある。

 パリ五輪世代は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年5月のU-20ワールドカップが中止になり、2020年から海外遠征もまったくできていなかった。海外勢と戦った経験値が東京五輪世代よりも乏しく、今後、国外でゲームができるか不透明な点を考えれば、今回のような海外遠征は無駄にできない。

 今回参戦するドバイカップU-23で予定されているのは3試合。五輪や予選のU-23アジア選手権同様にすべて中2日で行なわれ、日本は23日にクロアチアとの初戦を迎える。選手たちは現地時間の21日早朝にドバイ入りし、同日夕刻から現地でトレーニングを開始した。

 初日のトレーニングに参加したのは25名のメンバー中19名。海外組の小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、内野貴史(デュッセルドルフ)や、週末にJ2を戦っていた木村誠二、半田陸(いずれも山形)、加藤聖(長崎)、鈴木海音(栃木)といった選手以外は、ピッチで精力的に汗を流した。
 
 ほとんどの選手が週末に公式戦を戦ってから代表に合流している。ドバイ入りして初日という点も含め、選手のコンディションを見極めながら、1時間半ほどパスゲームなどで調整を行なった。そうした状況を含め、現状で初戦のピッチには初日のトレーニングに参加した19名が中心になるだろう。

 ただ、大岩監督は複数のフォーメーションを試すことを示唆しており、実際に3月上旬の千葉合宿で行なったトレーニングマッチでも、4−4−2、4−2−3—1、4−3−3といったシステムを使い分けていた。また、今回は大畑歩夢(浦和)の招集辞退により、本職の左SBが加藤しかない。その加藤も合流日が22日となっており、23日のクロアチア戦に出場するのは考えにくい。

 現状で考えれば、自チームで経験がある成瀬竣平(名古屋)を本職の右SBではなく左SBで起用するか、本職がボランチの田中聡(湘南)を左SBに回すプランが予想される。ただ、誰を起用するかは見通せず、フォーメーションを変えて乗り切る可能性もあるだろう。
 

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