「彼以上の才能を持った選手は世界中にいない」シャビが後継者と認めるペドリは何が“別格”なのか。番記者が解き明かす【現地発】

2022年03月05日 エル・パイス紙

「ペドリのような選手は他にいない」

故障で出遅れたものの、本来の輝きを取り戻しているペドリ。(C)Getty Images

「ペドリのような選手は他にいない」。バレンシア戦(バルセロナが4-1で勝利)後にシャビは熱を込めて語った。

 この日、ペドリは先発を外れた。これからの試合に備えて、足の筋肉を休ませる必要があったからだ。しかし59分から出場すると、頭をフル回転させ、パスを捌くだけで十分だった。試合の流れを的確に読みながらタメを作り、味方のマイボールの時間を増やした。足下にボールをコントロールすることで守備をする。シャビが就任以来、口を酸っぱくして言っていることを率先して手本を示した。

 さらに63分にはペナルティエリア手前から右足を豪快に一閃。ピエール=エメリク・オーバメヤンの背中をかすめゴールに吸い込まれたことで、記録上はガボン代表FWの得点となったが、「並の選手ではない」とシャビも一目置くほどのパフォーマンスを完遂させた。

 ブラウグラナの監督は、現役時代に確かなポジショナルプレーの理解を土台にサッカーのボキャブラリーを自在に駆使し、バルサを美しさと強さを兼ね備えたチームに押し上げ、スペイン代表をメジャータイトルの獲得に導いた。彼はペドリをそんな自身が残したレガシーを体現する選手と重ね合わせて見ている。

【動画】華麗なボールタッチから圧巻サイドチェンジ!ペドリの超絶プレー
 就任直後のことだった。シャビは「バルサでプレーしているにもかかわらず、ポジショナルプレーへの理解が不足している選手がいる。不思議なことだ」と指摘した。そんなチームの中で、上空からピッチを俯瞰するように"双眼鏡視点"でプレーするセルヒオ・ブスケッツとともに例外と言えるのがペドリだ。なぜなら彼は子供の頃からパスを受ける前に周囲を見渡すことを習慣化させるまでに徹底した指導を受け、その類まれなるセンスを身に付けてきたからだ。

 ボールをプロテクトする際に、一瞬コントロールを失い、相手を引き剥がすことができない。球離れがワンテンポ遅れ、相手に寄せられる。これはバルサの中盤に起こっている問題だ。そんな中で、クラブの関係者曰く、「異才を放っている」のがペドリだ。さらにその意味を説明する。

「一つのアクションで封じることができないし、とりわけライン間でのポジショニングに秀でている。1回のボールコントロールでスペースと時間を確保するところはイニエスタ的、パスを出し入れすることで新たなギャップを作るところはチャビ的でもある」

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