Jリーグ次期チェアマン野々村芳和ってどんな人? 強く持ち続けるサッカーへの愛情と気高きプライド

2022年03月03日 斉藤宏則

アグレッシブでダイナミックな経営者

Jリーグ時期チェアマン、野々村芳和氏とはいったいどんな人物か。これまでの歩みや内面に迫る。写真:徳原隆元

 1月31日、Jリーグから「役員改選に関するお知らせ」が発表され、次期チェアマンには北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和代表取締役会長の就任が決まった。現職である村井満チェアマンの後任として、3月15日開催予定の理事会決議によって正式就任することになる。

 野々村氏は選手時代にジェフユナイテッド市原、コンサドーレ札幌でプレーし、引退後は解説者などを務めた後、2013年から札幌の代表取締役社長に就任。当時はJ2だった札幌が、現在ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもと、タイトル獲得を目指すまでに成長を果たしているのは周知の通りだ。

 おそらく、これを読んでいる多くの方々と、筆者が持つ野々村会長のイメージはほとんど違わないだろう。解説者としては柔らかな口調でありながらも、ストレートな表現でプレーを評し、自身がMCを務める番組でも様々なトピックスに対して臆することなく足を踏み入れている。
 
 札幌の社長としてもとにかく積極的な経営を行ない、自らが「日本サッカー界の最高傑作」と称する小野伸二を2014年に獲得し、その加入会見を札幌市内中心部で華々しく開催。2014年シーズンのホーム最終戦後の挨拶では、稲本潤一(現・南葛SC)へのオファーをスタンドのサポーターに明かしたこともあった。そして、ペトロヴィッチ監督の招聘も。

 とにかくアグレッシブでダイナミックな経営者であり、大まかすぎる表現で恐縮だが、いつもクラスの中心にいるようなサッカー少年がそのまま年齢を重ねたかのような男性。そういったイメージではないだろうか。

 同時に筆者は、"気遣いの人"だと思っている。それを本人に伝えても「気なんか遣ってねーよ」と一蹴されることだろう。ただ前述した稲本へのオファー公表など、自分達の動きについてはとにかくオープンに発し、多くの人と情報共有をしながら推し進めていくのだが、万が一、外部の人に影響を与えてしまいかねないような件については、とにかく慎重に言葉を選ぶし、先の先まで見据えて配慮していると感じるケースは多々あった。稲本へのオファー公言についても当然、稲本サイドの了承を得てのものである。
 

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