【サッカーダイジェストの視点】北朝鮮を相手に不覚。意思統一の欠如が招いた痛恨の逆転負け

2015年08月03日 五十嵐創(サッカーダイジェスト)

強行日程を組んだ強化サイドにも敗戦の責任はある。

新顔が多い今回のチームに、「わずか1回の練習」(ハリルホジッチ監督)で結果を求めるのは、あまりに酷だろう。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 率直に言えば、「またか」という負けだった。これまでアジアの戦いで何度となく見てきた"負けパターン"が繰り返されたからだ。

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 立ち上がりは試合を優勢に進められるが、ガソリンが切れると途端にプレスを掛けられなくなり、単純にロングボールを放り込まれて失点してしまう。これは、アジアの戦いで何度となく露呈してきた日本の弱点だ。
 
 エクスキューズは、いくつかあった。「3日前に中国に着いて、1回のトレーニングしかしていない」(ハリルホジッチ監督)という準備不足。新戦力の多さからくるコンビネーション不足。Jリーグの戦いを含む連戦による疲労の蓄積――。とりわけ、最初に挙げた準備不足は、日本に致命的なダメージを与えていた。
 
 日本代表が中国に渡ったのが、7月30日。翌31日はリカバリーのみで、本格的に身体を動かしたのは、8月1日のトレーニングだけだった。しかも、戦術を確認する紅白戦は、たったの20分である。これで戦う態勢を整えろというのは土台無理な話だ。
 
 案の定、コンビネーションがままならないチームは、ボールの奪いどころが定まらなかった。さらに運動量が落ちて徐々に主導権を譲り渡すと、最後は単調なロングボールに対応できずに逆転を許したのだ。
 
 東アジアカップの連覇を本気で狙うなら、Jリーグから中3日で初戦を迎える強行日程を組むべきではなかったのではないだろうか。ハリルホジッチ監督も「少し準備期間が欲しかった。日本のフットボールが疑問を抱かなければいけないと思う」と漏らしたように、北朝鮮戦の敗因の一旦は、協会強化部にあると言っていいだろう。

次ページ後半の守備には大きな不満が。

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