早くも松木玖生が台頭、新高3もトップデビュー! Jリーグ開幕戦、十代プレーヤーの活躍度は?

2022年02月21日 松尾祐希

高卒ルーキーで開幕スタメンを飾ったのは…

高卒ルーキーで唯一開幕スタメンを飾った松木。初陣から存在感を示した。(C) SOCCER DIGEST

 世界の潮流を見れば、10代の活躍は決して珍しくない。ヨーロッパでは多くの選手が活躍しており、ドルトムントのジュード・ベリンガムはレギュラーとしてプレー。イングランド代表としても昨夏のEUROで準優勝を経験している。ただ、忘れてはならないのは彼が特別ではないということだ。10代だからと言って、「まだ若い」と見る向きもあるが、10代の頃から欧州のトップリーグで結果を残す選手は数多くいる。久保建英より一つ下の2002年生まれで19歳のバルセロナのぺドリは昨夏、EUROと東京五輪に出場。チームメイトで同学年のアンス・ファティに至っては16歳304日でゴールを奪ってリーガのクラブ史上最年少ゴール記録を打ち立てている。
 
 次々に逸材が台頭する中で、迎えた今季のJリーグでも10代のプレーヤーたちが開幕戦から出場機会を得た。残念ながらゴールを奪った選手や強烈なインパクトを残した者はいないが、今後の飛躍を予感させる選手がいた。

 J1では10名の選手が開幕戦のメンバー表に名を連ねたが、高卒ルーキーで先発出場を果たしたのは僅かひとり。それが青森山田高から鳴り物入りで加入したルーキー・松木玖生だ。高校入学直後から物怖じしない性格とフィジカルの強さを生かしたプレーで注目を集めていた中で、その姿はプロの世界に入ってからも変わっていない。J1王者・川崎との一戦では開始10分頃までミスが目立ち、らしくないプレーでボールロストを繰り返していたが、徐々に落ち着きを取り戻すと、インサイドハーフの位置から積極的に攻撃に関わった。23分には永井謙佑にリターンパスを通してチャンスを作り、28分には得意の左足で強烈なミドルシュートを放つ。プロの水にも慣れ、先輩たちに対して臆さずに指示を出す場面もあり、高校時代から度々見せていた"松木らしいパーソナリティ"も随所に垣間見えた。ただ、後半はややトーンダウン。決定機には絡めずに72分に途中交代となった。

 今後に繋がるプレーを見せた一方で、何か結果を残したわけではない。高卒ルーキーというフィルターで見れば上々のパフォーマンスかもしれないが、プロの基準に照らし合わせれば及第点。もっとも本人は開幕戦の出来に満足しているわけではなく、改善点を挙げている。

「決め切らないといけない部分で決め切れず、ボールを失う機会が一番多かった。試合を通して、ボールを失わずにゴールを決め切れるインサイドハーフの選手になっていきたい」

 次節以降は新型コロナウイルスの影響で離脱していた選手の復帰も想定される。今まで以上に激しくなるポジション争いで松木がどのようなパフォーマンスを見せるのか注目だ。
 

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