森保ジャパン、3戦連続弾の伊東純也に続く攻撃陣の切り札は誰? 大迫勇也&南野拓実の復調はあるか?

2022年02月01日 元川悦子

ベテラン勢に勝負を託す信念は変わらず。そのうえで得点を獲るためのキーマンになるのは?

3試合連続ゴール中の伊東。サウジ戦でも爆発なるか。写真:JMPA代表撮影

 2022年カタール・ワールドカップ(W杯)自動出場権獲得の行方を大きく左右する最終予選の天王山・サウジアラビア戦(埼玉)が、いよいよ今日1日に行なわれる。
 
 前日の1月31日、日本代表は全員が参加して決戦の地・埼玉スタジアムで最終調整を実施した。「基本的には中国戦の選手をベースに考えていきたい」と話したように、森保一監督は数々の修羅場をくぐってきた長友佑都(FC東京)、大迫勇也(神戸)らベテラン勢に勝負を託すという信念は揺るがない様子。そのうえで、交代枠5枚を最大限有効活用しつつ、勝点3をなんとしてももぎ取る構えだ。

 そのためには、当然のごとく、得点を取らなければいけない。27日の中国戦(埼玉)で最終予選に入って初めて複数得点差勝利を手にしたものの、攻撃陣に爆発力が感じられたとは言い切れない。大迫のPK弾で先制した後、一気にギアを上げて得点を重ねていれば、停滞感や不穏なムードを払拭できたはずだが、そういう展開にはならなかった。

「もっと高いレベルの戦いになった時にどう崩していくかを考えると、タテに入れるタイミングやスイッチの入れ方を見極めながら、もっと回数を増やしていかないといけない。ゆっくりする時間を持ちながらも回数を増やすことによって、得点機会は必ず増える」と代行キャプテン・遠藤航(シュツットガルト)は改善ポイントを口にしていた。とはいえ、大迫へのパス出しや南野の前線への侵入が徹底警戒されている今、その作業が難しくなっているのは確かだ。

 その傍らで、右の伊東純也(へンク)が自由自在にプレーできているのは大きな強みだ。彼の巧みなDFとの駆け引き、エリア内に入り込むスピードとキレ、相手が一番嫌がるマイナスクロスを多用している点が、結果的にゴールにつながっている。

「自分はそんな得点を取るタイプではないので、自分でも驚いている感じではありますけど。自分の特徴はアシストとかチャンスメイクの部分だと思っている。そういうところを多く出していければいい」とあくまでお膳立てをメインに考えている伊東だが、彼の決定力に助けられている部分は少なくない。

 とはいえ、サウジもそのあたりは特に注意してくるはず。世界基準を知る久保が「アジアの中では飛び抜けている。アベレージが高いし、ボールを扱う能力にも長けている」と評するくらいだから、簡単にはいかないだろう。

 伊東が封じられた場合、次の一手はどうするのか。森保監督にはその打開策がいち早く求められることになる。
 

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