【2021年の日本人選手ベスト11】卓越したキャプテンシーを発揮した吉田の価値は、一選手の枠に収まり切らない

2021年12月20日 浅田真樹

ライターが選ぶ、2021年の日本人選手11 Vol.2|吉田、冨安、酒井、遠藤は迷うことなく選出決定

浅田氏が選出した2021年の日本人選手ベストイレブン。

 2021年の日本サッカー界で顕著な活躍あるいは急成長を見せた選手は誰か? ここでは日本サッカーに精通する識者に、今年一年のパフォーマンスを踏まえ、"日本人選手"の中からベストイレブンとMVPを選出していただいた。スポーツライターの浅田真樹氏が選んだ顔ぶれは――。

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 異なる舞台でプレーしている選手を一律の評価するのは難しいが、選手の活躍度を【1】所属クラブ、【2】ワールドカップ予選、【3】東京五輪の3項目で評価し、総合的に判断してみた。

 3項目すべてで高評価となる吉田麻也、冨安健洋、酒井宏樹、遠藤航は、迷うことなく選出決定だ。夏までマルセイユにいた酒井を含め、いずれも所属リーグのレベルも高く、文句のつけようがない。

 これに次ぐのは伊東純也。【3】こそ出場がないが、【1】では自らのゴールでカップタイトルを手にし、【2】では最終予選で出色の働きを見せている。文句なしと言ってもよく、ここまでの5人は迷わず決定だ。

 あとは何を重視するか次第だが、まずは3項目すべてで一定以上の評価ができる田中碧を加えたい。【1】についてはデュッセルドルフ移籍後がマイナスに働くが、【3】ではチーム屈指の働きを見せ、【2】も最終予選で救世主的な活躍をしている。前述の5人以外では、最高評価に近い選手だろう。

 続いては古橋亨梧。セルティックでの鮮烈なデビューはもちろんだが、シーズン途中までしかプレーしていないJ1で、得点ランク3位(15点)は驚異的な結果だ。【2】でも大きなプラス材料こそないが、確実に代表定着を果たしたことと、【1】で強烈なインパクトを残したことを評価し、選出した。

 同様に代表での序列を確実に高め、最終予選の2試合で酒井の代役を務めた山根視来も、11人に加えた。今季J1では独走優勝した川崎で最多出場時間を記録しており、【1】での評価は極めて高い。

 GKは、【2】で高評価の権田修一と【3】で高評価の谷晃生とで、どちらを選ぶか。ともにJ1クラブで正GKを務める両者は、単純な実力比較なら権田が上だろうが、2021年に関しては東京五輪を重視し、そこでのベスト4進出の立役者である谷を選んだ。
 

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