南葛SCが関東1部昇格を懸けて入替戦へ――指揮官が振り返る「継続とつながり」の2021シーズンリーグ戦

2021年12月20日 伊藤 亮

南葛SC森一哉監督インタビュー【前編】――指揮官は、戦っていた

インタビューに応じてくれた森監督。関東リーグ2部での今シーズンを振り返った。写真:徳原隆元

 リーグ戦序盤は思うようにいかなかったことの方が多かったかもしれない。

 だが、就任1年目の指揮官はやるべきことをブラさなかった。むしろやるべきことを徹底し続けた。チームの課題に対して偶然で済まさず、必然をもってクリアする。

 その結果、『キャプテン翼』の原作者・高橋陽一氏が代表を務める‟リアル"南葛SCは、リーグ戦で2位に入り、昇格をかけた入替戦への挑戦権を手にする。

 成長と結果をチームにもたらした森一哉監督が考える「継続とつながり」の力とは――。

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 リーグ戦が進むにつれて、ピッチ脇から発せられる声は大きくなっていった。

「僕も気づいたらという感じだったのですが(笑)。練習の時からかけているワードをひとつ出すことで伝わると思ったので。基本、試合中の判断は選手たちに任せていますが、外から見えた部分で、練習でやってきたことを思い出してもらえればプラスですし。もちろん練習通りにいくことばかりではないので、その際にどうしたらいいのかということもタイムリーに言うことでより修正は早くなるのもあります。流れを変えたい時に自分の一言がきっかけになって、選手たちが感じて、気付いてくれる部分もあるかな、と。すべては試合での勝利に繫げていければと思いまして」

 コロナ禍での開催となった2021シーズン、ほとんどの試合が無観客で行なわれたぶん、ピッチ脇からの声が選手たちに伝わりやすいという計算もあった。だが一方で、感情が表に出ていたという点に関して否定はしなかった。

 指揮官は、間違いなく戦っていた。
 

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