「前日に言われて驚いた」突然のウイング起用に応え、菅原由勢がAZのパスワークを蘇らせる!「自分が入ったからこそ…」【現地発】

2021年12月06日 中田徹

「点、獲りたかったですよ」

スパルタ戦で本職の右SBではなく、右ウイングで先発した菅原。(C)Getty Images

 ここ2試合、ベンチスタートが続いていたAZの菅原由勢は、12月5日のスパルタ戦で先発復帰を果たした。ポジションは本来の右サイドバックではなく、右ウイングだった。

 7分、その菅原が早速正確なクロスを送り込むも、CFヴァンゲリス・パブリディスのヘディングシュートは枠を外れる。続く9分には、左ウイングのカールソンにスルーパスを供給。しかし、右45度から強烈なシュートは、バーに嫌われた。

 自らゴールも貪欲に狙った。58分、左からのクロスに対して、ものすごい勢いでニアサイドに突っ込んだ。しかし、パブリディスがさすがのゴール嗅覚を発揮して、先にボールに触ってゴールを奪い、チームを3‐1のリードに導いた。チームメイトが歓喜の輪を作る中、菅原はゴールネットに絡まったままだった。試合後、本人が苦笑いしながらこのシーンを振り返った。

「あれは俺にパスを出してくれていたんですけれど、(パブリディスに)前に入られてしまったんですよ。俺、めちゃくちゃ突っ込んでましたよね。点、獲りたかったですよ」

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 菅原は81分にも、ジャストミートした左足のシュートを放ったが、GKにセーブされた。69分には、相手のパスをカットしてカウンターの起点となり、イェスパー・カールソンがネットを揺らしたものの、オフサイドによって取り消された不運なシーンもあった。

 しかし、この時間帯のAZはかつてのパスワークを取り戻しており、危なげなく2点のリードを守りきって勝利。まだ8位ながら、4位のユトレヒトとの差は3ポイントで、上位進出を狙えるところまで調子を取り戻してきた。

 実は、菅原はウイングのポジションを練習することなく、ぶっつけ本番でスパルタ戦に臨んでいた。

「昨日、練習後のミーティングで『お前がウイングをやる』と知らされ、僕も驚きました。(アルベルト・)グドムンドソンや(ザカリア・)アブカルといったウイングの選手もいるのに、僕をウイングのポジションに置いてくれた。自分にとって一番やりたいポジションでないことは間違いないですが、与えられたポジションで最大限、やるべきことをやるだけでした。ゴールやアシストを記録できたらよかったですが、守備のところ、そして攻撃のリズムを作るところも考えらながらできました」

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