【千葉】12戦負けなし。終盤戦で示したベースアップと若手の確かな成長

2021年11月30日 加茂郁実

有言実行。ふた桁得点をクリアした見木

確かな成長を示した見木(写真左)と髙橋。シーズン終盤に結果を残したチームを支えた。(C)SOCCER DIGEST

 9月11日に、磐田に1-3で敗れて以降、12戦負けなしの7勝5分。これがリーグ終盤の千葉の戦いぶりだ。優勝を果たした磐田とは力の差を感じたものの、41節で対戦した2位・京都にはスコアレスドローと、通用する手ごたえも得た。「シーズン当初からこういう戦いができていれば」という見方もできるが、新加入選手も多く、シーズン前からキャプテンの鈴木大輔は「チームとしてでき上がるまでには少し時間がかかると思う」と冷静に分析。その通りの結果となった。

 エンジンのかかりは遅かったが、前半戦は大卒2年目の見木友哉のブレイク、後半戦ではユース昇格2年目の櫻川ソロモン、そして高卒で見木と同じ23歳の髙橋壱晟といった選手が存在感を示したのはチームとしてもポジティブな材料だろう。
 見木に関しては、もともと得点感覚は非常に優れている選手だった。シュートの技術だけでなく、ポジショニングや前を向く速さなどに秀でており、その力を遺憾なく発揮。さらに今季に懸ける思いは開幕前から強く、シーズン前には「今年に懸けているところはあります。試合に出れば、点を取る自信はあります。欲を言えば、トップ下で出場したい」と、意気込んでいた。

 シーズン当初は左サイドハーフで出場することもあったが、その後はシステム変更も味方し(3-4-2-1へ)、トップ下(2シャドーの一角)のポジションを確保。5節の琉球戦で今季初ゴール、5月には4試合連続ゴールを記録し、J2月間MVPも受賞した。

 しかし、本人は「まだまだほかにも決められるチャンスは多くあった」と、決して満足しない。特に、リーグ中断明けは相手のマークも厳しくなり、ゴールを決められないゲームも増えた。ただ、そういった試合でも、前線からの守備でも貢献。何よりも、ゴールを取れない時でも、少し下がってボールをさばいてチャンスを演出。攻撃にリズムをもたらし5アシストという数字も残している。1シーズンを通して大きな怪我もせずにプレーし、チームの中心選手へと成長したと言っていいだろう。

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