U-23アジアカップ予選に臨む日本の予想布陣は? J若手の精鋭たちと大学&高校サッカー界屈指のタレントが挑む

2021年10月21日 松尾祐希

パリ五輪世代ではないU-22年代の選手たちを呼び寄せたワケは?

U-22日本代表の予想布陣。スタメンにはJリーグの若手精鋭と学生サッカー界屈指のタレントたちが名を連ねる。

 A代表と東京五輪世代の活動を除くと、アンダーカテゴリーの代表にとっては約2年ぶりの国際試合となる。

 来年6月にウズベキスタンで予定されているU-23アジアカップの出場権を懸け、U-22日本代表が予選に挑む。そのメンバーが19日に発表され、MF郷家友太(神戸)や松岡大起(鳥栖)など23名が選出された。
 
 福島県のJヴィレッジスタジアムで開催される今大会は3チームの総当たり方式で実施される。出場権を掴むためには、1位もしくは2位に入った上で全11グループのうち上位4チームに入らなければならない。

 日本は26日にカンボジア、28日に香港と対戦。Jリーグや天皇杯と並行して活動を行なうため、限られた準備期間の中で予選突破を目指す。

 今回の本大会出場は大きな意味を持つ。アンダーカテゴリーの日本代表は昨年の3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で海外遠征を実施できていないからだ。

 最後に海外勢と公式戦で戦ったのは2019年11月上旬。U-18日本代表がU-19アジア選手権予選、U-17日本代表がU-17ワールドカップに出場した時まで遡る。今年開催される予定だったU-20ワールドカップとU-17ワールドカップは大会中止となったため、代表活動も国内での合宿とトレーニングマッチが中心となった。3年後のパリ五輪を目指す世代の選手たちは国際舞台の経験値が乏しいだけに、予選を突破して本大会に出場する価値は大きい。

 コロナ禍以前の状況とはまるで異なる中で、迎える今回の予選。幅広い年齢層の選手が名を連ねた点も、今までの代表にはない試みだ。本来、U-23アジア選手権は五輪世代を強化する場として当該の世代で挑んでおり、9月上旬の千葉合宿もU-20世代で活動していた。しかし、冨樫剛一監督は10月上旬の活動からパリ五輪世代ではないU-22年代の選手たちを呼び寄せ、今予選でも引き続き、郷家、MF松井蓮之(法政大)、DF角田涼太朗(横浜)、DF山原怜音(筑波大)の4名を招集。その理由について、冨樫監督はこう話す。

「オーバーエイジという表現が正しいか分かりませんが、彼らを選んだ理由はこの大会に彼らを選ばなければ、次にいつ日本代表に絡めるか分からないからです。彼らに国際大会を経験してもらい、その先のA代表に繋がっていることを感じてもらいたかった。また、アジアのどのようなチームに対しても、日本が強いというのを示すためにもU-22代表の選手が必要だった」

 今までの五輪代表でも一番下の世代は台頭するタイミングの関係で、メンバー争いに加われないケースは少なくない。だからこそ、今回はU-20やU-17世代以降で代表に縁がなかった選手たちに経験を積む場を与えた。五輪の本大会ではオーバーエイジの出場が可能になるだけに、99年と00年生まれの選手たちが参戦する意味は今後の強化を考えても大きなメリットがあるはずだ。
 

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