スイスで奮闘中の21歳MF鈴木冬一が語る、日本とのサッカーの違いや初の海外挑戦「Jリーグでは味わえない感覚でした」【インタビュー】

2021年10月20日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「サッカーは言葉が全てではない」

スイスで2年目のシーズンを送っている鈴木冬一。(C)Getty Images

 今年1月にスイス1部のローザンヌ・スポルトへ完全移籍を果たした鈴木冬一。高卒1年目から出場機会を掴んでいた湘南ベルマーレを飛び出し、初の海外挑戦を決断した21歳は、異国の地でどんな経験をしているのか。スイスと日本のサッカーの違いや、ピッチ内外の生活についても話を訊いた。

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――今年の1月にスイスに渡りました。チームにはすぐに馴染めた?

「初めての海外生活で戸惑いもあり、ヨーロッパの環境に慣れるのに1か月ぐらいかかりましたね。移籍のタイミングが、シーズン途中からだったのですが、チームメイトもすごく温かく迎え入れてくれました。アニメとか食事とか日本に興味があるチームメイトが結構いて、話かけてくれて、馴染みやすかったですね。日本文化がそのきっかけとなり、ありがたみを感じました(笑)」

――チームメイトとは早く打ち解けられたようですね。

「そうですね。一緒にプレーをしてから、さらにグッと距離が縮まりました。ただコミュニケーションの面で、こっちで生活しながらプロとしてプレーするのに言葉の壁は高いなと思いました。

――チームのスタイルにフィットするのには時間がかかった?

「早かった方だと思います。昨シーズンの監督が、僕が加入して最初の試合からベンチに入れてくれて、途中出場で試合に出してくれたので、それほど時間はかからなかったですね」
 
――スイスへ渡って、最も苦労した点は?

「作戦ボードや映像を見て、自分に要求されている事は理解して落とし込むことができたんですが、こうして欲しいと自分の要求をチームメイトに伝えたり、監督にここはどうしたらいいんだという細かいところを聞いたりすることができなかった。そこがすごく苦労しました。でも、サッカーは言葉が全てではないと思うので、柔軟にプレーして、改善していけた。難しさを感じながらも、上手くプレーできたと思います」

――すぐにレギュラーの座を勝ち取り、コンスタントに試合に出場していました。

「最初から試合に使ってくれたのが、大きかったです。サッカーのやり方や戦術面などが日本とは違いますが、これまでの海外遠征などで慣れていたので、馴染むのは比較的早かったかなと」
 

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