豪州戦、4年前の成功を踏まえれば4-3-3がベスト! 肝になる中盤【アンカー+インサイドハーフ】の組み合わせは?

2021年10月12日 元川悦子

前回最終予選はボール支配率で大幅に下回ったもののシュート数は18対5で圧倒

4年前の豪州戦でアンカーを務めた長谷部。前回同様の布陣となれば、アンカーには遠藤航が濃厚か。写真:サッカーダイジェスト(長谷部)/金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本の2022年カタール・ワールドカップ(W杯)出場の行方を大きく左右する10月2連戦のラスト・オーストラリア戦(埼玉)がいよいよ12日に行なわれる。アジア最終予選序盤3戦で2敗という苦境に直面するチームがV字回復するためにも、今回のホームの大一番は絶対に勝点3しかあり得ない。
 
「本当にW杯に出る・出ないというのは、僕たちだけじゃなくて、サッカーに携わる全ての人たちの死活問題になると思う。この一戦の意味は非常に大きい。プレッシャーを力に代えていかなければいけない」とキャプテン・吉田麻也(サンプドリア)も悲壮な決意を口にしたが、この壁を乗り越えてこそ、真の強い集団になれる。ここで簡単に引き下がるわけにはいかないいのだ。

 とはいえ、オーストラリアが難敵なのは、誰もが熟知していること。過去の最終予選を見ても、2010年南アフリカ大会は1分1敗、2014年ブラジル大会は2分、前回2018年ロシア大会は1勝1分と勝利したのは2017年8月の対戦だけ。

 当時の生き証人である大迫勇也(神戸)は「先手を取りたいですけど、前回対戦のイメージというわけではない」と別の戦いであることを強調したが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(現モロッコ代表)が採った戦術にも必ずヒントはあるはずだ。

 改めて歴史的一戦を振り返ってみると、日本は長谷部誠(フランクフルト)をアンカーに据え、井手口陽介(G大阪)と山口蛍(神戸)をインサイドハーフに置く4-3-3の布陣を採用。相手の中盤にハイプレスをかけ、高い位置で奪い、素早く攻めるという形で攻勢に出た。ボール支配率自体は38%対62%と大幅に下回ったものの、シュート数の18対5という数字を見ても分かる通り、相手に脅威を与え続けたのは日本の方だった。

 井手口の82分の2点目はまさにその策が的中した形だった。原口元気(ウニオン・ベルリン)のボール奪取から井手口が強引に持ち込んでペナルティエリア外から右足を一閃。相手を奈落の底に突き落とした。ここに至る前も井手口と山口は再三再四、プレスをかけ、相手のボールロストを誘っていた。こういう働きが極めて重要なのだ。

【動画】代表戦士がトレーニングで魅せた華麗なパス回し

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