U-23アジアカップ予選に臨む日本の中枢へ!大学No.1ボランチが魅せた圧巻のクオリティ

2021年10月12日 安藤隆人

U-17日本代表候補時代の後悔を糧に

U-22日本代表候補合宿での練習試合ではキャプテンも務めた松井。中盤を統率する役割を担った。写真;安藤隆人

1本目、4-3-3のアンカーとしてプレーした松井蓮之の左腕にはキャプテンマークが巻かれていた。

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 彼は2000年2月生まれ。2001年生まれ以降で構成するパリ五輪の世代ではないが、今回のU-23アジアカップが、五輪アジア最終予選を兼ねる大会ではないため、10月下旬から始まるU-23アジアカップ予選を日本はU-22代表で臨むことになった。そのため、21歳の大学ナンバーワンボランチが選出されることになった。

 法政大では押しも押されもせぬ大黒柱であり、来季の川崎フロンターレ入りが内定している松井は、アンカーとしても攻守においてこのチームの中心と言える存在感を放った。

 矢板中央高時代、彼は対人能力の高さが売りの『潰し屋』だった。エースキラーとしてボランチからCBまでこなす彼は、U-17日本代表候補にも選出されていた。だが、2017年3月のアメリカ遠征ではDF瀬古歩夢(セレッソ大阪)、鈴木冬一(ローザンヌ)らが躍動するなかで持ち味を発揮できず、その年のU-17W杯(インド)は招集外となった。

「あの時も僕が早生まれ(2月)として1学年下がメインの代表に選ばれた。でも、そこで『自分が代表に選ばれていいのか』とすら思ってしまっていた。もちろん実力不足もあったのですが、最初から自分に負けて特徴を出しきれないまま終わってしまったのが本当に後悔でした」

 この経験から彼は法政大に進んでも次に訪れるチャンスを掴むべく、重要なところで力を発揮できるメンタリティの強化と、自身のプレースタイルの進化に取り組んだ。プレー面ではボールを奪ってからのパス、ドリブルに着目し、映像などで分析をしながら、法政大のチームメイトである田部井涼(横浜FC内定)と何度も議論を重ね、フットボールインテリジェンスを磨いた。さらに視野を広げるトレーニングやゴールへのアプローチの幅を広げるトレーニングを工夫しながらこなした結果、大学サッカー界では攻守において絶大な影響力をもたらす選手にまで成長を遂げた。

 そして、チャンスはやってきた。
 

次ページアンカーとして攻守両面で強度と精度の高いプレーをし続けた松井。チームの中枢と言っても過言ではないクオリティ

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