観客動員、競技性の担保、ホーム勝率…WEリーグ開幕3試合で見えたプラス効果とこれからの課題とは?

2021年09月29日 西森彰

開幕前の認知度の低さを考えれば客足は想像以上

開幕戦の東京NB対浦和は、2427人の観客を集めて行なわれた。複数の代表選手を抱える人気チーム同士の対戦は、2-1で浦和に軍配が上がった。写真:田中研治

 ついに、日本初の女子プロサッカーリーグ=WEリーグが開幕した。注目を集めたのが「女子スポーツの興行に、観客が入るかどうか」。各地の開幕ゲームとなる第1節、第2節の5試合が行なわれた9月12日は、日本各地で緊急事態宣言が出て、WEリーグの試合会場も入場者数の上限が設けられるなどしていた。そんな状況下で10試合の平均観客数は約2,500人に達した。

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 なでしこリーグ時代でも、女子ワールドカップ優勝直後を除けば、来場者数をJリーグと比較されるなどなかったこと。開幕前の認知度の低さを考えると、想像以上の出足と言っていいだろう。なでしこリーグ時代から小さな子供を連れて来場するファミリー層の観客が目立っていたが、それとは別に、友だち同士、あるいはチーム単位でスタジアムを目指すサッカー少女の姿が増えているようにも感じた。

 実質的に2巡目と言える第3節の平均観客数は約1,400人。ノジマステラ神奈川相模原の開幕ゲームが残っていたというプラス要素と、 INAC神戸レオネッサが会場変更を行なったマイナス要素を考え合わせると、各節で平均1,500人というのが達成可能な目標ライン。この水準を守りながら、少しずつ積み上げていきたい。

「なでしこリーグの時よりも、たくさんの方に来ていただいているという実感はあります。『開幕戦だから』というのではなくて、『ずっとWEリーグを見ていきたい』と思っていただけるようなプレーを続けていかなくてはいけないと思います」(松原有沙・ノジマステラ神奈川相模原)
 

次ページ大味な試合が増えるのではないかという心配も杞憂に…

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