【W杯最終予選|10月シリーズ推奨メンバー】大迫勇也の招集は二桁ペースで“量産”し始めてから。FWで抜擢されるべきは…

2021年09月27日 加部 究

久保建英の故障がなければ4-3-3の選択肢も考えられたが…

加部氏が推奨する10月シリーズの日本代表メンバー。

 カタール・ワールドカップの出場権をかけたアジア最終予選で、日本はオマーンとの初戦を0-1で落とし、続く中国戦は1-0で勝利。2試合を終え、1勝1敗の勝点3でグループ4位という成績だ。

 そして迎える10月シリーズ。7日にサウジアラビアとのアウェーゲームに挑み、12日にホームでオーストラリアと対戦する。今予選を占う上で重要な2連戦に、森保ジャパンはいかなるメンバーで挑むべきか。スポーツライターの加部究氏に訊いた。

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 おそらく10月シリーズは森保体制の存続を賭けた連戦になりそうで、もし2戦合計で勝点3にも満たないようなことがあれば、さすがにJFAも重い腰を上げざるを得なくなるだろう。剣が峰の状況に加えて、もともとこうと決めたら一途な指揮官なので、現実的にはフォーメーションどころか、メンバーの変更も最小限に止まるはずだ。
 
 もし久保建英の故障がなければ、遠藤航をアンカーに置き、田中碧とともにインサイドハーフとして4-3-3の選択肢も考えられた。だが久保が不在では鎌田大地か南野拓実が代案になるので、ボールを引き出してリズムをもたらす特性を考えても4-2-3-1の方が良さそうだ。ただし本来は対戦相手の日本対策を考慮した上で、せめていくつかのオプションは用意しておきたい。日本代表も招集メンバーの選択肢は確実に広がってきている。最初に戦術ありきだけではなく、コンディションの良い選手の起用を優先し、その特徴に適わせた複数の戦い方が欲しい。今回も久保の代わりに柴崎岳を起用し、遠藤を逆三角形の頂点に置き、ピッチ左側では田中と三笘薫の連係を活かす4-3-3も考えておきたい。

 ディフェンスのベースになるのは、東京五輪で厳しい戦いを経験して来たメンバーだ。逆に東京五輪の成果をワールドカップ予選で活かさなければ、わざわざオーバーエイジまでフル装備をした意味がない。

 MFは欧州移籍を果たしたばかりの田中、三笘が良好なコンディションを保っている。田中と遠藤のコンビは東京五輪で保証済みだし、左ウイングとして三笘に匹敵する適正の持ち主はいない。最後にCFは、現状と未来を考えれば、フランスでも結果を出し続けているオナイウ阿道の抜擢が妥当だ。ここ何年間も続いて来た大迫勇也への依存状態は当然ライバル国も分析済みだし、しかも大迫のコンディションが万全ではない。ポストワークには秀でたものがあるが、何よりゴール奪取への成功体験が不足している。移籍先の神戸にはイニエスタという最高のアシスト役がいることを考えれば、2ケタペースでゴールを量産し始めてから復帰を検討してもいい。
 

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