ニコとガビ、カンプ・ノウでベールを脱いだバルサの両逸材「2人がピッチに立つと、試合の流れが傾いた」【現地発】

2021年09月18日 エル・パイス紙

父はデポルティボのレジェンド

今シーズンにトップチームデビューを飾った(左から)ガビとニコ。(C) Getty Images

 ニコことニコラス・イバン・ゴンサレスは学業も優秀だ。ESO(4年間の中等義務教育、日本の中学校に相当)に通っていた当時、飛び級したらどうかと勧められると、さらにその上を行く形で、1年間で2年と3年の授業科目を履修したことがある。バルサBの関係者によると、プレースタイルもインテリジェンスの塊だという。

「学校での取り組みぶりと同じだよ。アカデミックにアプローチする。とにかく研究熱心だ。教科書に対するときと同じように、サッカーにも向き合っている」

 ガビことパブロ・マルティン・パエス・ガビラは、学校で目立った成績を残したことはない。どのクラスにでもいる相手の話を集中して聞くのが苦手なタイプで、ラ・マシアの指導者からも注意を受けたことは1度や2度ではない。前出の関係者が説明する。

「優秀な生徒ではないよね。腕白なところがあるけど、逆に言えばとてもクレバーだ。サッカーでも直感でプレーする。ふてぶてしさを感じさせる」

 ラ・リーガ第3節のヘタフェ戦では、2人がピッチに立つと、試合の流れがバルサに傾いた(バルサが2-1で勝利)。敵将のミチェル監督の言葉がそれを裏付ける。

「飲水タイムまではうちのペースだった。でもガビとニコが(74分に同時に)投入されると、ヘタフェのプレーのテンポがペースダウンした。2人はバルサにとってとても重要な存在になっていた」

【動画】2人が同時にピッチに立ったヘタフェ戦にハイライト
 ニコがラ・マシアに入団したのは2012年。父親のフラン(デポルティボのレジェンド)ら家族も一緒にバルセロナに移住した。2015年から19年まで指導者としてバルサのカンテラに所属し、現在はU-20クウェート代表の監督を務めるカルロス・マルティイネスは当時から突出したインテリジェンスを持っていたと振り返る。

「サッカーをよく知っている。とても聡明な選手だった。10番(トップ下)、8番(攻撃的MF)、6番(守備的MF)いずれもこなす。どのタイミングで前方へのスペースに飛び出せばいいかもちゃんと理解していた。とにかく質問魔でね。議論に発展することも多々あった。サッカーについて深い話ができない選手が少なくないけど、ニコはまったくその逆だった」

 バルサBの関係者もこう続ける。「昨シーズン、BチームでCBが不足している時に、監督のガルシア・ピミエンタにポジションを下げてプレーしたいと申し出て、さらにSBもこなした。いずれにせよ、適正ポジションはアンカーだろう。トップクラスの選手になれる。バルサでは先を読む能力やポジショニングといったサッカーIQが高くないと務まらないポジションで、ニコはまさにその資質を有している。ブスケッツと同じだよ」

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