元日本代表ふたりが荒木遼太郎を“天才”と評した理由が面白い「Jリーグの中でそういない」

2021年08月14日 サッカーダイジェスト編集部

「ボールタッチは、本当に天才肌」(岩本)

優れたテクニックが光る荒木。今季は21試合・6得点(23試合消化時点)。写真:滝川敏之

 今季は23試合消化時点で6得点・6アシスト。高卒2年目ながら類稀なテクニックを駆使して鹿島で存在感を放つ荒木遼太郎は「天才」と呼べるのか? そんな疑問について、元日本代表で現解説者の2人──名良橋晃氏、岩本輝雄氏がひとつの回答を示す。

名良橋 基本的になんでもできるプレーヤーなので、天才の部類に入れていいと思う。

岩本 鹿島OBらしい回答(笑)。

名良橋 読者の皆さん、決して贔屓目じゃないですよ。そこは強く言っておきます(笑)。

岩本 俺の感覚では、荒木は起用ポジションで見え方が変わる。

名良橋 あっ、それ、分かる。

岩本 例えば5月の川崎戦、左サイドハーフだった前半は守備に引っ張られて持ち味をほとんど出せなかった。でも、(選手交代を機に)中央にポジションを移してからは天才的だった。

名良橋 適性はトップ下。
 
岩本 そう。ファーストタッチが素晴らしいから、時間をかけずにキュッと前を向いてバイタルエリアで勝負できる。ミスもあるけど、バイタル付近であそこまで良いプレーをしている選手はJリーグの中でそういない。ボールタッチは、本当に天才肌。パスを出すタイミングについては改善の余地があるけど、天才の部類に入るかな、"トップ下の荒木"は。

名良橋 イマジネーションもあるし、荒木は「天才」で。

岩本 異議なし。最前線に大迫(勇也)みたいな強くて上手い選手がいれば、荒木のキュッとした動きがより生きるはずだけど、まあ、今後の成長に期待しましょう。

名良橋 代表のアンダーカテゴリーに名を連ねていて、鹿島では高卒2年目ですでに主力を張っている。伸びしろは十分で、むしろこれからが楽しみな選手。サイドラインを背負ってのプレーはまだ窮屈に感じるけど、そこを修正してひと皮剥ければ飛躍できる。

岩本 さすが鹿島のOB。コメントに愛情が溢れている(笑)。

名良橋 だから、贔屓目じゃないって(笑)。読者の皆さん、改めてここは強調しておきます。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)・多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト6月24日号に掲載されたものを加筆・修正して転載。

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