準々決勝NZ戦|「PK戦でも負ける気はしなかった」我慢比べを制して掴んだ自信【東京五輪プレーバック】

2021年08月08日 サッカーダイジェスト編集部

「なんで入らないのか、そんな感覚が選手たちの間にあった」(堂安)

ニュージーランドとの接戦をPK戦の末に制す。試合後には喜びが溢れた。(C)Getty Images

[東京五輪・準々決勝]U-24日本0(4PK2)0U-24ニュージーランド/7月31日/県立カシマサッカースタジアム

「点を取られる気がしなかった」

 試合後に久保はそう話したが、一方で「点を取れる気もしなかった」のではないだろうか。

 出場16か国中、唯一全勝でグループリーグを突破した日本に対し、初戦で韓国を倒したとはいえ、ニュージーランドはこれが同国史上初の準々決勝進出である。当然ながら、戦前は日本優位の見方が大勢を占めたが、しかしいざ試合が始まると、若きサムライたちは予想以上の苦戦を強いられる。

 10分、CKの流れから林のクロスを、フリーの遠藤が合わせ損ねる。31分には久保の仕掛けから、さらにその3分後には遠藤とのワンツーで左サイドを崩した相馬からラストパスが供給されるが、いずれも堂安が決め切れない。

 5バック+3MFでブロックを築いたニュージーランドだが、決してベタ引きではなく、前から奪いに行く姿勢もちらつかせつつ、アグレッシブかつソリッドな守備で日本に対抗。ボールを奪えば、ウッド&ウェインの屈強な2トップめがけてロングボールを放り込み、何度か吉田と冨安のCBコンビを慌てさせてもいる。
 
 スコアレスのまま迎えた後半、ニュージーランドが前に人数をかけてくると、ポゼッションが低下した日本は、さらに攻撃のリズムが悪くなる。

「時間の経過とともに焦りが増していった。なんで入らないのか、そんな感覚が選手たちの間にあった」

 82分、堂安が粘って右から送ったクロスに、途中出場の上田がフリーで合わせるが、これも相手GKがストップ。この日一番のチャンスを逃した日本は、堂安の言葉通り、焦燥感に支配される。

 負ければ終わりの重圧がのしかかっていたのは確かだろう。延長戦から投入の三笘も違いは作れず、100分過ぎには久保が、堂安がカウンターから強引にシュートまで持ち込むが、結局120分間でゴールは奪えなかった。
 

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