53年ぶりの銅メダルを懸けた大一番!今大会二度目のメキシコ戦は総力戦の様相…注目すべき選手、局面は?【東京五輪】

2021年08月05日 元川悦子

「ロンドンの時は燃え尽きてしまった感があった」と吉田

メキシコ戦では久保が1得点をゲット。堂安とのコンビに注目だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

「ここまで来たら気持ちの問題。この先はメダルを取りたいという気持ちの強いチームが勝つ」

 3日の東京五輪準決勝・U-24スペイン戦(埼玉)で115分にマルコ・アセンシオ(レアル・マドリー)に均衡を破られ、0-1で惜敗した直後、キャプテン・吉田麻也(サンプドリア)は改めてこう強調した。

 言葉の裏側にあるのは、もちろん2012年ロンドン五輪の苦い経験だ。ロンドンでの準決勝でメキシコに1-3で敗れた後、カーディフへ移動し、中2日で挑んだ3位決定戦の韓国戦。日本は洪明甫監督(現蔚山現代)が採ったロングボール戦術にハマり、パク・チュヨン(FCソウル)とク・ジャチョル(アル・ガラファ)の2発に沈み、メダルを逃した。
 
「ロンドンの時は燃え尽きてしまった感があった」と吉田も振り返っていたが、まずはメンタル面の切り替えをしっかりすることが最重要テーマだ、同じ悔しさを味わった酒井宏樹(浦和)を含め、準決勝から3決への切り替えの難しさを熟知する両オーバーエージ(OA)選手がいることは、今の日本にとって大きい。「涙も出てこない」と失意を口にした久保建英(レアル・マドリー)らU-24世代の面々も、力強い先輩に導かれ、再び前を向けるはずだ。

 そのうえで、53年ぶりのメダル獲得という最低ノルマをクリアしなければいけない。奇しくも1968年メキシコ五輪の3決もメキシコ戦。今大会も7月25日の1次リーグ第2戦で対峙していて、因縁深い相手なのは間違いない。

 前回を簡単に振り返ると、日本は開始6分に堂安律(PSV)とのホットラインから久保が先制弾をゲット。その5分後には、堂安がVARで得たPKをギジェルモ・オチョア(クラブ・アメリカ)の守るゴールど真ん中に蹴り込み、早々と2点をリードした。その後、相手に主導権を握られる時間帯もあり、終盤にはロベルト・アルバラド(クルス・アスル)の直接FKで追い上げられたが、2-1で逃げ切っている。

 日本戦では攻めあぐんだ印象のメキシコだが、そこからのU-24南アフリカ戦(札幌)を3-0、U-24韓国戦(横浜)を6-3と連続で圧勝。準決勝・ブラジル戦(カシマ)こそスコアレスでPK戦までもつれ込んだが、破壊力は着実に増しているのだ。
 

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