スペインの五輪代表番記者が日本との準決勝を展望!「最も当たりたくなかった相手の一つ」【東京五輪】

2021年08月03日 セルヒオ・サントス

ダニ・オルモも警戒心を強める

大会直前の前哨戦では堂安のゴールをアシストした久保。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本はスペインが今大会で最も当たりたくなかった相手の一つだ。グループステージの第1節を終えて、わたしの予想は、本命がブラジルとスペイン。そしてコートジボワール、ドイツ、フランス、メキシコ、日本の5か国が第2集団を形成するという構図だった。その中で最終的に勝ち上がりを決めたとはいえ、スペインは準々決勝でコートジボワール相手に大苦戦を強いられた(最終スコアは5-2)。

「とてもタフな試合になるだろう。僕たちはテストマッチで対戦して日本の強さを肌で感じ、大会中もその素晴らしい戦いぶりを見てきた。勝つためにはこれまで以上のプレーを見せなければならない」

 ダニ・オルモもこう警戒心を強めるように、スペインは心してかかる必要がある。

 わたしが評価したいのは、オーバーエイジ枠としてDF2人、中盤2人を選出したモリヤス監督の判断だ。この世代の日本の守備の選手は総じて経験が不足している。それを補っているのがその3人であり、ソリッドな戦いぶりに効果が表れている。

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 一方、攻撃面でチームを牽引しているのがタケ・クボ(久保建英)だ。ここまで3得点を挙げるなど、エースの重責を果たしている。

 スペインの日本への警戒心をさらに後押ししているのが、両チームの置かれた立場だ。日本は早くから強化を重ね大会に臨んだ。もちろんその分、重圧もあったはずだが、タケ同様に見事に結果を残している。

 われわれからすれば、日本はここまでたどり着くことができれば成功と言える。メダルを逃すことになれば、当然、失望はあるだろうが、失敗と捉えるべきではない。こうした状況の場合、下馬評で上回るスペインより、失うもののない日本のほうが心理的に優位に立てるのは言うまでもない。

 もちろんスペインもテストマッチで対戦した頃よりもチーム状態は上がっている。来日後、半月以上が経過し時差や気候にも適応した。ただその一戦でも明らかになったように、運動量の勝負になるとスペインは分が悪く、しかも日本は油断ならない攻撃陣を擁している。

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