エムバペなど「最強陣容のフランス」を東京五輪で見たかった…連盟会長は“負け惜しみ”も

2021年07月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

招集メンバー発表後も多数のクラブに大反発され…。

東京五輪参戦が叶わなかったエムバぺ(左上)、ウパメカノ(右上)、カマビンガ(左下)、テオ(右下)。(C)Getty Images

 7月28日のU-24日本代表戦で、0-4の大敗を喫したU-24フランス代表。1勝2敗でグループA3位となり、早々に東京オリンピック敗退が決まった。
 
 日本との試合後、FFF(フランス・サッカー連盟)のノエル・ル・グラエ会長は嘆き節を展開。フランス紙『Le Parisien』が伝えている。
 
「重いスコアだった。しかし、避けがたかっただろう。私たちは希望するチームを作れなかった。招集リストを作るのすら困難だったんだ。クラブが選手の貸し出しを拒否した。こうした問題の改善に向けて、FIFAと話し合っていきたい。繰り返すが、避けがたい敗戦だった」
 
 いわば負け惜しみのコメントにも聞こえるが、フランスがメンバー招集で大きな困難に陥っていたのは事実。シルバン・リポル監督は80人規模の膨大なリストを作っていたと言われるが、パリSGをはじめ多くのクラブに選手の貸し出しを拒否され、招集メンバー発表後も多数のクラブに大反発されて選手入れ替えを余儀なくされていた。
 
 結果、今大会の来日メンバーは2軍どころか3軍に近い構成で、オーバーエイジもA代表から遠ざかって久しいアンドレ=ピエール・ジニャックとフロリアン・トバン、代表経験ゼロのテジ・サバニエしか呼べなかった。フランスが東京オリンピックに招集できなかった主なU-24世代の選手は、以下の通りだ。
 
[GK]
イラン・メリエ(リーズ)
アルバン・アフォン(ナント)
 
[DF]
ダヨ・ウパメカノ(バイエルン)
ジュル・クンデ(セビージャ)
テオ・エルナンデズ(ミラン)
ウェスレイ・フォファナ(レスター)
マクソンス・ラクロワ(ヴォルフスブルク)
ノルディ・ムキエレ(RBライプツィヒ)
ダン=アクセル・ザガドゥ(ドルトムント)
マラング・サール(チェルシー)
コリン・ダグバ(パリSG)
 
[MF]
エドゥアルド・カマビンガ(レンヌ)
ウセム・アウアー(リヨン)
ブバカリ・スマレ(レスター)
ブバカリ・カマラ(マルセイユ)
マッテオ・ゲンドゥジ(マルセイユ)
ジェフ・レン=アデライド(リヨン)    
クリストファー・ヌクンク(RBライプツィヒ)
マクシム・ロペズ(サッスオーロ)
 
[FW]
キリアン・エムバペ(パリSG)
ウスマンヌ・デンベレ(バルセロナ)
マルキュス・テュラム(ボルシアMG)
ジョナタン・イコネ(リール)
アラン・サンマクシマン(ニューカッスル)
ムサ・ディアビ(レバークーゼン)
アミンヌ・グイリ(ニース)
オドソンヌ・エドゥアール(セルティック)
 
 欧州トップリーグで活躍中の豪華メンバーが並ぶ。彼らは今夏、ウパメカノやカマビンガ、イコネらはU-21欧州選手権、クンデやエムバペ、デンベレらはEUROに出場。しかし、東京オリンピックは所属クラブの許可が下りず、来日が叶わなかった。
 
 この「最強陣容のフランス」とならば、日本に大敗しなかった――。ル・グラエ会長はそんな想いを抱えていたのかもしれない。
 

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