二枚看板のホットラインが機能! 絶好調の久保&堂安は日本をメダルへと牽引できるか?【東京五輪】

2021年07月26日 元川悦子

息ピッタリの攻撃二枚看板

メキシコ戦は久保と堂安のゴールで2-1の勝利。グループステージ2連勝を飾った。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 2012年のロンドン・オリンピック準決勝でも1-3で苦杯を喫している苦手のメキシコ。2020年11月のA代表の親善試合(グラーツ)もそうだったが、日本の前に毎回のように立ちはだかってきた難敵だ。

 その相手に対し、U-24日本代表は粘り強く戦い、2-1で勝利。2連勝でA組トップに立った。森保一監督は、25日の東京五輪第2戦後に「FIFAランクで格上の彼らと同じ目線で戦えた」と語ったが、それだけの自信と手応えがこの日の彼らから感じられた。

 牽引役となったのは、堂安律(PSV)と久保建英(レアル・マドリード)の攻撃二枚看板だ。

 開始早々の6分、酒井宏樹(浦和)の縦パスに鋭く反応した堂安は、対面にいたエリック・アギーレ(モンテレイ)が本来、中盤を主戦場とする選手だとスカウティングで確認。「背後のボールにはあまり慣れていない」と先読みして一歩前に出た。そして左手で相手を抑えた瞬間、久保は「自分にボールが来る」と察知。迷わずゴール前へ飛び込んだ。そして「インサイドだとボールが右に流れてしまう」と直感。「いい感じにファーに行ったらいい」と考えて、左足アウトサイドで合わせたという。
 
 各々の的確な判断の積み重ねがイメージの共有につながり、値千金の先制弾に直結したのは特筆すべき点。堂安も「お互いにとくに話をしていないが、タケに預ければボールが帰って来るとか、タケに預ければチームにプラスなことをやってくれると信頼しているし、そういう信頼を彼からも感じるので。話さずとも共通認識ができている」と17日のU-24スペイン戦(神戸)後に話していた。2017年のU-20ワールドカップ(W杯=韓国)の頃からともに戦ってきた盟友同士は、自国開催の五輪という重圧に関係なく、ピタリと息の合った連係を披露できる間柄にあるようだ。
 

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