U-24日本代表、ホンジュラス戦で突き付けられた課題――梅雨明けの五輪本番で求められるマネージメント

2021年07月13日 元川悦子

ホンジュラス戦は気温26度・湿度63%と7月中旬の大阪にしては涼しい気候だったが

ホンジュラスとのテストマッチを3-1で制したU-24日本代表。写真:JFA提供

 7月22日の初戦・南アフリカ戦(東京)から幕を開ける東京五輪のU-24日本代表の戦い。「金メダル」を公言する以上、本番までにしっかりと6試合を戦い抜けるコンディションと選手層を確保しなければならない。

 その重要な試金石と位置付けられたのが、12日のU-24ホンジュラス戦(大阪)。森保一監督は吉田麻也(サンプドリア)らOA3人に加え、冨安健洋(ボローニャ)、堂安律(PSV)、久保建英(レアル・マドリー)らA代表経験者を揃って起用。現時点でのベスト布陣でどこまで戦えるかを見極めようとした。

 まだ来日3日目というホンジュラスの状態が悪かったこともあり、試合開始から日本が一方的に攻め込む展開となった。堂安、久保に三好が加わった2列目は臨機応変にポジションを入れ替えながら、高度なコンビネーションを披露。最前線に抜擢された林大地(鳥栖)も持ち前のタメを作る力を発揮して、2列目のゴールへの推進力を加速させた。
 
 ボランチ陣は遠藤航(シュツットガルト)がオフ明けのせいか、やや重さを感じさせたものの、田中碧(デュッセルドルフ)との距離感は悪くなかった。そして守備陣は、相手に攻め込まれるシーンが少なかったこともあるが、A代表含めて長い時間をかけて成熟度を高めてきた分、安定感が見て取れた。

 久保のFKから吉田が決めた13分の先制点、冨安・三好・林が複合的に絡んで堂安が決めた2点目も含め、前半はほぼパーフェクトに近い出来だったのはないか。

 しかし、問題は後半だ。気温26度・湿度63%と7月中旬の大阪にしては涼しい気候だったにもかかわらず、選手たちの運動量がガクッと落ち、強度や連動性も低下。イージーにボールを失うミスも急増した。相手がギアを上げてきたこと、田中碧や林ら運動量豊富なタイプの選手が後半途中に下がったことも重なり、66分にはまさかの失点も食らってしまう。この時間帯は明らかに日本全体が混乱。仮にこれが重圧のかかる五輪本番だったら、一気に同点に追いつかれ、逆転を許していた可能性も否定できなかっただろう。

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