【バイタルエリアの仕事人】vol.6 玉田圭司|「ミスしても全然いい」大事なのは自信を失わず、やり続けること

2021年06月30日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

次のプレーを考えてファーストタッチも意識

今季はここまで途中出場が続く。もちろん満足はしていないが、「自然体でやれれば」と泰然として構える。(C)J.LEAGUE

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第6回は、実績十分の熟練アタッカー、V・ファーレン長崎の玉田圭司だ。前編では、今季のチームの戦いぶりや自身の好きなプレーについて語っているが、後編ではさらにその思考や流儀を深く掘り下げていく。

 鮮烈なフィニッシュのみならず、チャンスメイクでも輝きを放つ玉田。ゴールに至る過程で、どんな工夫が必要か、いかにアプローチして敵守備陣を崩していくか。バイタルエリアの攻略において、どんなことを意識しているのか。そして「ミスしても全然いい」と語る。その真意とは――。

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 相手のディフェンスの選手ひとりに見られない状況というか。自分が、間とか、中盤を含めた間、ど真ん中に入ることによって、相手4人に見られる状況になる。ただ、相手を背負うのは好きではないので、常に微調整して、そうならないような場所に立つ。背負っていると、前を向くのが難しいですからね。

 その位置取りでボールを受けることで、味方とのコンビネーションだったり、自分で相手を剥がせば、チャンスを作れる。そういうプレーを心掛けながら、得点やアシストで、自分は結果を出してきたつもりです。
 
 周りを囲まれているから、プレーの質はすごく大事になってくる。でも、ミスしても全然いいと思う。10回中10回、そこで良いプレーなんて絶対にできない。大事なのは、やり続けること。やり続ける、受け続けることで、味方にうまくゴールが転がったりとかで、チャンスは生まれる。自信を失わず、やり続けるんです。

 どこにスペースがあって、どこに相手がいて、どこに味方がいるかで、立ち位置を微調整しながら、ボールを受ける。それは今も常に考えながらやっているし、自分がやるべきこと、課題でもあります。

 ファーストタッチも意識しています。それで次のプレーが決まると思っているので。自分が目指しているのは、狭いなかでボールを受けて、打開すること。だから、受けるときに、どこにスペースがあって、どこにボールを置けば、よりスムーズに運べるかも考えています。
 

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