「エリクセンとともに」8強進出のデンマーク、指揮官は喜び爆発!「現実だと信じるのは大変だ」

2021年06月27日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「結果を約束することはできないが…」

ウェールズを下し、「クリスティアン」と書かれた国旗を広げるデンマークの選手たち。(C)Getty Images

 どこまで勢いが続くかは分からない。確かなのは、デンマーク代表が戦列を離れた仲間を想って戦い続けるということだ。

 現地時間6月26日のEURO2020ラウンド・オブ16で、デンマークはウェールズに4-0と快勝し、準々決勝進出を果たした。キャスパー・ドルベアの2得点で先行すると、終盤にヨアキム・メーレとマーティン・ブライトワイトがダメ押しとなるゴールを挙げている。

 周知のように、デンマークは12日の大会初戦でクリスティアン・エリクセンを失った。試合中に心停止で倒れた司令塔は、幸いにも一命をとりとめ、退院して療養中だ。

 この日の会場は、アムステルダムのヨハン・クライフ・アレナ。拠点とするアヤックスは、エリクセンがユース時代から在籍し、キャリアをスタートさせたクラブだ。

 米スポーツチャンネル『ESPN』によると、デンマークのキャスパー・ヒュルマン監督は試合後に「クライフは私にとって最大のインスピレーションだ。そしてここがクリスティアンの最初の家のひとつだと知っている。彼は我々と共にある。彼には是非ともここにいてほしかった」と語った。
 
 さらに、この日の勝利について、「これが現実だと信じるのは大変だ」と続けている。

「クリスティアンが倒れたときに、全てが変わった。我々は異なる状況に置かれたんだ。サポートしてくれた全員に感謝する。私たちにはそれが必要だった。我々には愛と支えが必要だったんだ。それが翼を与えてくれた。私は選手たちを称賛している。彼らは戦士だ」

 7月3日の準々決勝で、デンマークはオランダ対チェコの勝者と対戦する。指揮官は「ひとつずつ、だ。それぞれの試合にそれぞれの道のりがある」と話した。

「我々はチームと自分たちのクオリティを信じている。あまり先のことを考える必要はない。結果を約束することはできないよ。だが、ファイトすることは約束できる」

 優勝した1992年のような快進撃を期待する声もあるデンマークの戦いぶりから、目が離せない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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