【J1前半戦ベスト11 Vol.4】MF4名はアンカー田中、両脇に仙頭と小泉!トップ下はMVPに推す代表アタッカー

2021年06月23日 西部謙司

3バックの左にはあえての菊池流帆

西部氏が選出したJ1前半戦のベストイレブン。

 J1リーグはおおよそシーズンの約半数の試合を消化。6月22日時点で川崎フロンターレが21試合消化と最も多く、新型コロナウイルスの影響で出遅れたガンバ大阪も15試合を戦っている。そこで本稿では、代表戦再開前までのJリーグ前半戦を振り返り、ベストイレブンを識者に選出していただいた。スポーツライターの西部謙司氏が選んだ11人とは――。

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 GKはセーブ王ヤクブ・スウォビィクを選出した。足もとの上手さで鳥栖躍進のキーマンになっている朴一圭、総合力と安定感の東口順昭も捨てがたいが、シュートストップという分かりやすさを優先した。

 DFは4枚で考えたがMF、FWに候補が多かったのと、左SBの層の薄さから3バックにした。右の山根視来は文句なし、次点はクロッサーとして貢献しているエミル・サロモンソンだが、3バックの右というタイプではない。山根は3バックの経験もあるのでそつなくこなすだろう。

 センターはファン・ソッコ。川崎の谷口彰悟、ジェジエウのコンビや名古屋の中谷進之介、丸山祐市のセット起用がよさそうだが3バックなので断念。ファン・ソッコは空中戦と球際の強さがあり、サイドもこなせるスピードもある。

 左は左利きの町田浩樹、福森晃斗あたりが順当だろうが、あえての菊池流帆。パワフルでスピードもあり、闘志が表に出るということでは右に並ぶ者がないぐらい。町田はセットプレーからのヘディングシュートに威力があり、福森はセットプレーのキッカーとして素晴らしい。菊池は粗削りなところもあり、このポジションならむしろトーマス・フェルマーレンなのだが上半期の活躍ということで選出した。
 
 MFのアンカーポジションは田中碧で決まり。アンカーよりもインサイドハーフとしてのプレーが多かったが、攻守に抜群の能力を発揮していた。岩尾憲と山口蛍が次点。

 田中の左右を固めるのは仙頭啓矢と小泉佳穂。2人とも運動量があって守備もできるし、ポジショニングが上手くパスワークの能力は抜群だ。仙頭は鳥栖のビルドアップの中心となり、小泉も浦和のポジショナルプレーの体現者。2人とも今季加入でチームの中心になっている。

J1リーグ最新順位表

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