【なでしこJ予想スタメン】ベースは4-4-2。抜群の勝負強さを誇る塩越柚歩は右サイドの先発最有力

2021年06月19日 西森彰

最終ラインを高く保ち、中盤をコンパクトにした4-4-2がベース

主戦システムは4-4-2。菅澤との連係も考えれば、右の先発候補は浦和Lのチームメイト塩越か。

 6月18日、なでしこジャパンの高倉麻子監督が、1年延期された「東京オリンピック2020」に挑む18名の選手を発表した。選び抜かれた精鋭たちは、大舞台でどんな戦いを見せてくれるだろうか。

 これまで高倉監督のチームは「対戦相手の強みを、どう封じるか」よりも「対戦相手の特徴を踏まえて、自分たちがどう良さを発揮するか」を優先してきた。今大会も、最終ラインを高く保ち、中盤をコンパクトにした4-4-2がベースになると考えられる。

 池田咲紀子(三菱重工浦和レッズレディース)、山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)は、ふたりとも、安定感のある守護神。シュートストップはもちろん、長いフィードが攻撃の起点になるシーンも増えてきた。本大会では、ハイラインを敷くライン裏へのボールに要注意だが、その点については織り込み済み。優れた状況判断とDFへのコーチングで、ピンチを未然に防いでくれるだろう。

 最終ラインは、5-1で勝利した先日のメキシコ戦の4人を予想。熊谷紗希(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)、南萌華(三菱重工浦和レッズレディース)は、メキシコ戦の失点に反省しきりだったが、これを糧に、今まで以上の安定感を取り戻してくれるだろう。

 守備最優先を念頭に置く清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)は、最近では機を見た攻撃参加を見せるようになり、信頼感も高まってきた。宮川麻都(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)は、低い位置からでも攻撃を組み立て、空中戦を含めた守備でも奮闘する。本来はどこでもできるタイプだが、この夏はサイドバックが主戦場になる。

 手堅く戦うなら、中島依美(INAC神戸レオネッサ)と三浦成美(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のダブルボランチか。メキシコ戦の終盤、遠藤の動き出しにピンポイントで合わせたように、決定機に中島が絡むシーンが増えてきたのは心強い。2019年の女子ワールドカップでは、決定的なシーンを幾度も演出した長谷川唯(ACミラン/イタリア)は、左サイドでの先発が見込まれる。
 
 岩渕真奈(アーセナル/イギリス)、菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)の2トップは、どちらも好調。個人能力だけでなく、周囲とのコンビネーションでゴールが増えているのもプラス材料だ。

 菅澤との連係も考えれば、右の先発候補は所属クラブのチームメイト塩越柚歩(三菱重工浦和レッズレディース)。男子相手のトレーニングでは2列目を中心に高いポテンシャルを、A代表デビュー戦では2ゴールと勝負強さを、それぞれ証明している。

【なでしこジャパンPHOTO】東京オリンピックに挑む、選ばれし18選手を紹介!
 

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