【ポジション別検証|CB編】別格の吉田&冨安コンビ。3番手に浮上したのは…。ロシア組も加わり激戦区に

2021年06月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

国際経験でも大きく優位に立つ吉田と冨安。しかしコロナの影響も考えれば…

「正直、残念な気持ちの方が強いですけど。麻也(吉田=サンプドリア)君たちとやりたかった。試合前までイメージしていたので」

 3日に急きょ設定された日本代表対U-24日本代表の"兄弟対決"。吉田らオーバーエージ3枚が温存されたことに、A代表のキャプテン・大迫勇也(ブレーメン)は落胆していた。吉田のみならず、U-24世代の冨安健洋(ボローニャ)も出ないとなれば、絶対的1トップにとっては拍子抜けだったのだろう。それは裏を返せば、「吉田&冨安は絶対的」と大迫が認めている証拠。確かに2019年アジアカップ(UAE)からコンビを結成してきた鉄板センターバック(CB)の安定感は屈指だ。

 彼ら2人は国際経験値でも大きく優位に立っている。吉田はご存じの通り、イングランドで7年半、イタリアで1年半プレー。多種多様なFWと対峙し、駆け引きや身体の使い方を体得してきた。2020年1月のサンプドリア移籍後には「両国のサッカーはある意味、別の競技。運動量や強度はイングランドの方が圧倒的にあるけど、ゴール前の質だったりはイタリアの方が上。イブラヒモビッチや(ミラン)やクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)だったりはほとんど動かないけど、ワンチャンスをモノにできる集中力と決定力を持っている。それがイタリアのFWの特徴」とも語り、対応力に磨きをかけてきた。
 
 一方の冨安もまだ22歳だが、すでにベルギー、イタリアでのキャリアは4年にのぼり、左右のサイドバック(SB)としてもプレー。ロナウドらとのマッチアップも経験し、世界観を養いつつある。彼ら2人が組んだ直近のU-24ガーナ戦(福岡)を見ても、相手の状態が今一つで強度を欠いていたこともあるが、全く危なげない守りを披露。「みなさんと同じ見方で、素晴らしいコンビだと思ってますし、本当に壁の高い2人。トミはどの能力もムダがない」と2018年ロシアW杯16強戦士の昌子源(G大阪)も絶賛するほど、現時点では吉田&冨安コンビが突き抜けている。

 その牙城を崩すのは容易ではないが、最終予選になればケガやコンディション不良もあり得る。コロナの影響でアジアへの招集が叶わない可能性もゼロではない。そのうえで2019年アジア王者のカタールや宿敵・韓国と激突しなければならなくなれば、最終ラインの前提条件が狂う。だからこそ、森保一監督は今回の3週間にわたる5・6月シリーズで複数の候補者をテストしているのだ。
 

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