【ポジション別検証】ボランチ編|遠藤&守田が鉄板コンビに。柴崎復権、橋本や田中碧らの定位置奪取は?

2021年06月02日 元川悦子

2020年10月・11月の欧州遠征で遠藤が発揮した強度の高いパフォーマンス

A代表およびU-24代表のボランチ陣。左上から時計回りに、守田、遠藤、柴崎、川辺、田中、橋本。写真:サッカーダイジェスト

 6月シリーズ初戦となるはずだった3日のジャマイカ戦(札幌)が突如として中止となり、日本代表(A代表)対U-24日本代表という異例のマッチメークが実現した。

 ドイツ・ブンデスリーガ1部でデュエル王に輝いた遠藤航(シュツットガルト)と2020年Jリーグベストイレブンの田中碧(川崎)がコンビを組むU-24代表に、守田英正(サンタ・クララ)と橋本拳人(ロストフ)擁するA代表がどう対峙するのか…。そんな想像をするだけでワクワクしてくる。

 そのボランチ陣だが、2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)を最後に長谷部誠(フランクフルト)が代表引退した直後は、現在のような構図ではなかった。ベスト16進出の原動力になった柴崎岳(レガネス)が大黒柱と位置付けられていたのはご存じの通りだろう。
 
 自身もかつてボランチで、93年10月の「ドーハの悲劇」を味わっている森保監督は、非凡な攻撃センスと創造性を備えた柴崎を特別視している印象があった。東京五輪世代との融合チームで挑んだ2019年コパ・アメリカ(ブラジル)でも2人で話し込む場面が繰り返し見られ、絶大な信頼が窺えた。ボール奪取やコースを消すなど守備的な選手だった指揮官には「柴崎のようなタイプへの憧れがあるのではないか」とも言われていたほどだ。

 ところが、コロナ禍の2020年に状況は一変した。柴崎がスペイン2部・レガネスで苦境を強いられたのに対し、遠藤航はブンデス1部で活躍。デュエル勝利数でリーグ1位を開幕から続け、攻守両面で圧倒的存在感を示したのだ。2020年10月・11月に欧州組だけで挑んだメキシコ戦(グラーツ)など4試合を見ても、遠藤航の球際や寄せの強さが際立ち、屈強なアタッカー陣に対しても全く引けを取らなかった。それに対して柴崎は守備面で迫力を欠いた。もちろんパスセンスやリズムを作る力は衰えてはいなかったが、カタールW杯8強入りを目指すのであれば、遠藤航の強度が必要不可欠だと感じたはずだ。

 その流れで2021年に突入。3月シリーズに柴崎が不参加だったこともあり、やはり軸を担ったのは遠藤航だった。


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