【ポジション別検証|攻撃的MF編】南野、伊東との好連係で2列目キーマンに浮上の鎌田。久保らU-24世代の台頭は?

2021年06月01日 元川悦子

【ポジション別検証】アタッカー編|森保ジャパン発足時は三銃士が台頭するも…

日本代表の2列目を担う選手たち。写真は左上から時計回りに、南野、鎌田、伊東、久保、堂安、原口。写真:サッカーダイジェスト

 2018年9月の森保一監督就任時から「最も人材豊富」と言われた日本代表2列目アタッカー陣。それだけに競争は激しく、チーム発足当初から不動の地位を保っているのは、背番号10をつける南野拓実(サウサンプトン)くらいだ。

 改めて経過を辿ってみると、チーム作りが始まった時点では(右から)堂安律(ビーレフェルト)、南野拓実、中島翔哉(アル・アイン)が「三銃士」と称された。彼らが爆発的な推進力は敵陣に迫っていく姿は見る者を驚かせた。その最初のお披露目の場となるはずだった2019年アジアカップ(UAE)は中島が負傷離脱。左MFは2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)組の原口元気(ハノーファー)が入った。しかし、同年9月に始まった2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア2次予選は当初の3人に戻ってスタート。初戦・ミャンマー戦(ヤンゴン)では中島と南野がゴールする形で好発進した。

 指揮官が最初の1年間、固定していた陣容が入れ替わるひとつのきっかけになったのが、2019年11月のキルギス戦(ビシュケク)だろう。中島が当時所属のポルトで出番を失ったことが響き、左の先発には原口が浮上。右もベルギーでUEFAチャンピオンズ・リーグ(CL)参戦で目覚ましい進化を遂げた伊東純也(ゲンク)がスタメンを勝ち取った。ちょうど同時期にU-22日本代表の活動があり、堂安と久保建英(ヘタフェ)がそちら優先になったこともあるが、この試合で原口がゴール。伊東もインパクトを示したことで、着実に序列が変わり始めたのだ。
 
 その後、コロナによる1年間のブランクを経て、日本代表は2020年10月から活動が再開。森保監督は最初のカメルーン戦(ユトレヒト)では堂安、南野、原口というベースに近い組み合わせでリスタートを切った。が、続くコートジボワール戦(同)では伊東、鎌田大地(フランクフルト)、久保の並びをテスト。11月のパナマ戦(グラーツ)では3-4-2-1の新布陣にトライし、2シャドーに久保と三好康児(アントワープ)を配置するという新たなチャレンジに打って出た。

 そして2020年の総決算となったメキシコ戦(同)では、伊東、鎌田、原口という組み合わせを採用。ここまで絶対的中心だった南野をジョーカーに回すという斬新な采配も披露した。この4戦は欧州組のみのメンバー編成ではあったが、A代表と五輪世代を融合させながら、さまざまな連係を確認できたのは、大きなプラスだったと言っていい。
 

次ページ欧州での4試合を通じて連係を構築。3月の日韓戦で成果

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