【識者が選ぶラ・リーガのベスト11】MVPは王者アトレティコのMFを選出! バルサとマドリーからは2人ずつを…

2021年05月28日 メガクラブ

セビージャのDFも大車輪の働き

下村氏が選んだラ・リーガのベスト11。赤字がMVP。

 GKは5度目のサモーラ賞を獲得したヤン・オブラクだ。終盤だけでも、アラベス戦でのPKストップをはじめ、バルセロナ戦でのリオネル・メッシ、レアル・ソシエダ戦でのアレクサンダー・イサクのシュート阻止などビッグセーブを連発。"勝点を稼ぐGK"の面目躍如で、アトレティコ・マドリーのラ・リーガ制覇の最大の立役者のひとりとなった。

 システムは3バックを採用し、その中央にはオブラクとともにアトレティコの守備を支えたステファン・サビッチを選出した。ミスの少ない堅実なプレーで対人守備でも強さを発揮し、さらにインターセプトで冴えを見せ、ビルドアップでも貢献。かつてのディエゴ・ゴディン(現カリアリ)とはまたタイプは異なるが、DFリーダーとして君臨した。

 右CBはセビージャのジュル・クンデ。とにかく動物的勘でゲームの流れを読む能力に優れた選手で、ぎりぎりのところでシュートを弾き出したり、一本のパスで局面を打開したり、ドリブルで敵陣に攻め込んだり、果ては得点もマーク。まさに大車輪の働きだった。

 3バックの最後の一角に入るのは、ビジャレアルのパウ・トーレスだ。スピードと鋭い読みを活かした守備に加え、バルサ戦(32節)でサミュエル・チュクウェゼの先制ゴールをアシストしたように、局面を打開する高精度のキックでも貢献。本人も認めるように頼れる相棒、ラウール・アルビオルのサポートも追い風に、シーズンを通して安定したプレーを見せた。

【PHOTO】7年ぶりにラ・リーガ制覇を果たしたアトレティコ!歴史に名を刻んだV戦士を一挙紹介!
 中盤の構成はダブルボランチの前方にトップ下を置くトライアングル型を採用した。まずレアル・マドリーのカゼミーロは、トニ・クロースとルカ・モドリッチを背後から支える従来の役割に加え、機を見た攻撃参加からラ・リーガでチーム2位の6得点をマーク。器用さには欠けるが、年々判断力にも磨きをかけており、攻守で存在感を放った。

 ボランチのもう1枚のマルコス・ジョレンテは"トランジションサッカー"の申し子で、ラ・リーガだけでも12得点、11アシストを記録。ルイス・スアレスの加入を境にアトレティコの攻撃的姿勢が強まったとはよく指摘されることだが、その中で絶え間なくアップダウンを繰り返しながら、ドリブル突破とラインブレイクで脅威となり続けたこの男の存在は欠かせない。トータルでの貢献度はオブラクやスアレスよりも上と評価し、MVPに選出した。

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