久保建英、待望の代表初ゴールを決めるか。様々な条件が整ったミャンマー戦は絶好のチャンス

2021年05月28日 浅田真樹

いまだ日本代表で1点も取れていないことが不思議

気持ちよく代表に合流できているのが一番のプラス材料。ミャンマー戦で久保は代表初ゴールを決めるか。金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 久保建英を語るとき、日本代表初ゴールの話題が取り上げられるようになって久しい。なぜなら、久保が代表初ゴールを決めることは、すなわち、日本代表の史上最年少ゴール記録(金田喜稔氏の19歳119日)を更新することになるからだった。

 久保の日本代表デビューは、2019年6月に行なわれたエルサルバドルとの親善試合。当時の年齢は18歳5日。史上最年少ゴール記録の大幅更新は確実かに思われていた。

 ところが、久保は19年に出場した7試合でゴールを奪えずにいると、2020年は新型コロナウイルスの感染が拡大。ゴールするどころか、試合自体が行なわることがないまま、記録更新可能な年齢を過ぎてしまった。

 その後、日本代表は昨年10、11月にヨーロッパで4試合の親善試合を行なっているが、そこでも久保の代表初ゴールはおあずけとなったままだ。

 それにしても、久保の実力を考えると、いまだ日本代表で1点も取れていないことが不思議にも思える。

 例えば、19年9月のパラグアイとの親善試合では、後半開始からの途中出場ではあったが、果敢なドリブルでの仕掛けからシュートを放つ。あるいは、自分が倒されて得たFKを自ら狙うなど、際どいシュートを何本も放っている。

 そのプレーぶりを見る限り、ゴールするよりアシストするのが好き、というタイプではない。むしろゴールへのこだわりは人一倍強く、自分が決めてやる、そんな強い意欲を感じさせるプレーは、スペインでも頻繁に見られるものだ。
 
 さらに言えば、シュートセンスもいい。ニアサイドにズドンと叩き込むのか、ファーサイドに巻いて流し込むのか。DFの股を抜くのか、ふたりのDFの間を抜くのか。そうした発想と技術に優れているのである。

 にもかかわらず、結果として日本代表でゴールは生まれていないのはなぜか。まずは単純に、これまでの試合の状況や対戦相手が、ゴールを決めるに簡単でなかったことは確かだろう。

 久保が日本代表で出場した11試合のうち、ホームゲームは2試合だけ。対戦相手にしても、ミャンマーとタジキスタンを除けば、あとはコパ・アメリカの3試合を含め、中南米かアフリカの国ばかりである。

 しかも、そのうち7試合が途中出場とあっては、すぐに結果につなげるのは難しい。また、昨季終盤、久保がマジョルカで絶好調とも言うべきプレーを見せていたタイミングで、日本代表戦がまったく行なわれなかったという巡り合わせの不運もあった。
 

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