「タケの攻撃性能を引き出せる」久保建英にお勧めの移籍先は? スペイン人記者が最も推したのは、“恩師”のいる…【現地発】

2021年05月25日 ラディスラオ・ハビエル・モニーノ

サイズのなさを問題視する監督がどうしても存在する

2年で3チームにレンタルされた久保。来シーズンの去就が注目されている。(C) Getty Images

 タケ・クボ(久保建英)の1年目のマジョルカ、2年目のビジャレアルとヘタフェでのレンタル移籍を経て、明らかになったことがある。それはサイズのなさを問題視する監督がどうしても存在することだ。

 残念ながら、今シーズン指導を受けたビジャレアルのウナイ・エメリ、ヘタフェのホセ・ボルダラスの2人はいずれもそのケースに該当した。また彼らのようなタイプの監督は周りの結果への要求度が高くなると、ルーズボールや球際で競り負けるプレーを極端に嫌う。そうやって局地戦で負けることがチーム全体にマイナスの悪影響を及ぼすと考えているのだろう。

 もちろんタケは懸命に期待に応えようと努力し続けたが、それでもサイズの不足をカバーするまでには至らなかった。

 したがって来シーズンのレンタル先を考察する際に、チームを指揮する監督のサッカー観というものが極めて重要になってくる。理想はタケのそうしたボールプレイヤーとしての特徴を理解したうえで起用ができる人物だ。

 その意味で、ヘタフェへの移籍は選択ミスだった。さらに誤算だったのは、ヘタフェがあれほどまでに残留争いに苦しんだことだ。結果にこだわるあまり、ボルダラス監督の戦術はより一層守備的な方向へと舵を切り、自ずとサイズがないタケの出番は限られた。

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 一方、エメリ監督の場合は、どこに行っても日本人記者の一団を引き連れるタケに対し、特別待遇をしたくないという気持ちが働いた面は否めない。タケがそのビジャレアルで学んだことがあるとすれば、人生もサッカーも思い通りに行くわけではないということ。ヘタフェでも思うように出場機会を得ることができなかったが、それでも腐らずに練習に打ち込む姿が印象的だった。

 以上のことを踏まえて、来シーズンのレンタル先として最もおススメのクラブとしてエスパニョールを挙げたい。チームを率いるのはマジョルカ時代にタケの攻撃性能を引き出したビセンテ・モレーノだ。2部からの昇格組とはいえ、エースストライカーのラウール・デ・トマス、今シーズン、ブレイクを遂げたハビ・プアド、セルジ・ダルデル、ウー・レイら好選手が揃っている。

 厳しい競争の中で成長を続ける環境はある。ちなみに昨夏、移籍先を決める際に、欧州カップ戦に出場するクラブを条件に挙げていると盛んに報じられたが、今のタケにとって重要なのは、たとえ活躍の舞台がラ・リーガで限定されたとしても、トップレベルで違いを作り出す選手であることを証明することだ。

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